研究課題/領域番号 |
19560789
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
高橋 隆男 東海大学, 情報教育センター, 教授 (20130073)
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研究分担者 |
田中 真 東海大学, 情報教育センター, 准教授 (50301354)
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キーワード | 磁気モーメント / EMC磁気試験 / 衛星搭載機器帯磁 / 磁気トルク / フラックスゲート磁力計 / 磁場計測 / 磁気クリーニング / 磁気遮蔽 |
研究概要 |
ロケットや衛星搭載の機器や部品が持つ帯磁量を測定する目的で、携帯用の回転式帯磁量計測装置を開発して製作した。これを用いて、JAXAの科学衛星や大学小型衛星に搭載する機器や部品の帯磁量を計測し、大きな磁化を持つ部品に対しては、消磁対策を施し、飛翔中の磁化の影響を最小限にする方策を採った。特に、小型衛星にとっては衛星の磁化は姿勢に変動を与えるなど、科学技術観測に多大な影響を及ぼす。小型衛星の多くには、姿勢安定や制御の為の磁気トルカが用いられていて、飛翔中の磁化や透磁率の高い部品に大きな影響を及ぼす。そのために飛翔前や飛翔中の磁気モーメント計測は重要なEMC対策であるが、これまで磁気モーメントの精密計測は軽視されてきた。この研究目的は、近年増えてきた大学衛星などの小型衛星にも対応できる部品の磁気モーメントを短時間で簡便に計測するスピナー式磁気モーメント計測装置で種々の部品や機器を計測した。計測は磁気モーメントを0.01Am^2オーダーで計測可能であるので、双極子と仮定した場合の磁気モーメントが0.1Am^2以上の機器を要対策品とみなした。小型衛星4機の部品約25点について磁気モーメント計測を行なった。バッテリー、コネクター、磁気トルカ(通電なし状態)、構体、アンテナ、カメラ、GPSセンサなどを計測し、大きな帯磁量を持つ部品の再検討や消磁対策を施して、打上げた。さらに我々が開発制作した、昨年度から利用している高精度磁気モーメント測定装置は、2台の3軸フラックスゲート磁力計と2軸(1軸も可能)回転台で構成され、磁気シールド室内で0.001Am^2の精度で計測が可能である。また、1回の計測・解析が約5分程度と短時間で実施できるため、短期間で多くのパターンの磁気モーメントを測定することができる。本装置を用いた精密計測も一部で用いた。
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