研究概要 |
次世代の高効率エンジンとして有望視されるパルスデトネーションエンジン(PDE)は,定容燃焼であるため,ガスタービンエンジンのブレイトンサイクルよりも効率の良いハンフリーサイクルで近似できる熱力学的特性を持ち,現在,世界で実用化に向けて研究が進められている.本研究では,比較的小型のPIV対応型PDE実験装置を製作し,出口部の形状と推力の関係,多気筒化とその干渉流についてシュリーレンおよびPIV計測を実施し,熱流体力学的に解明することを目的とする.また,数値流体力学(CFD)による計算結果と計測結果を比較検討し,計算手法の妥当性と有用性を検証する. 本年度は,まず,PDEの基本仕様を決定するための,情報収集として広島大学を訪問し,PDEに関する情報交換を行った.その結果,PDEの設計を行い,デトネーション管1m(内径30mm,肉厚10mm,センサーポート4カ所),フランジ等の製作を終えた.なお,研究計画書に計上した設備備品のパルスデトネーションエンジン(単気筒)は,予算額の減額により購入が困難となったので自作に変更した.そのことと,研究費交付が9月となったこともあり,計画にあげたPDEの非燃焼,燃焼実験は,実現できなかったが,次年度の課題として引き続き実現を目指す. 数値計算では,酸素-水素反応オイラーコードをナビエストークスコードに改良し,圧力,温度,モル分率を変化させた場合の燃焼状態をパラメトリックに解析し,燃焼状態の把握を行った.
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