研究概要 |
前年度実績を基に,小型パルスデトネーションエンジン(以下PDEと略す.)の試作研究に関して,以下の点について成果を得た. (1)単気筒PDE実験のための基本装置の設計製作:昨年度製作した部品等を組み合わせ,単気筒デトネーション実験装置を完成.また,ダンプタンクとの間に,薄壁円筒形推力測定装置を設計製作し完成させた. (2)本試作実験装置でのデトネーション発生条件の把握:メタン-酸素の混合比(当量比)を0.7〜2.2で変化させデトネーション(DT)速度,推力を測定した.その結果,当量比1.7以下でDT速度は2300〜2600[m/s]となり,DTの発生を確認した.また,理論速度(CJ速度)と比較すると,誤差5%程度でDT速度は一致した.〓〓2.0では速度が急激に小さくなるため,〓〓2.0ではDTとならずデフラグレーションと呼ばれる通常の燃焼状態であることも確認した. (3)デトネーション推力測定:弾道振り子法に基づく推力測定装置とひずみゲージ法による推力測定装置を製作し実験を上記条件で推力測定実験行った.当量比0.8〜2.0の間では比推力I_<sp>は1000-1400[s]でり,ラムジェットエンジン程度の比推力を実現した.ひずみゲージ法による推力測定値は弾道振り子法より10%大きくなり,今後精度の向上が必要である. (4)CFDシミュレーション:PDE管内の超音速燃焼を数値計算できるよう,発表論文に示す計算を行った. (5)PIV実験準備:PDE管内の間欠現象を測定できるよう,PIVシステムの光源発振制御システムを構築した. 以上,研究成果として,当初計画していた単一パルスデトネーション実験装置および計測について,基礎データの蓄積を行い,多くの知見を得ることができた.
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