研究概要 |
平成19年度の実施計画では,今までのHB-WarpsとTR-Warpsで適用出来ない断面形状に対し,新しい概念を導入して,コンテナ船版の新HB-Warpsと新TR-Warpsの開発が目的である。研究成果は,下記の1,2の通りである。 1.前年度の準備研究では,今までの実用化システムの概念の範囲を超えた部材が存在するために,考え方を根本的に変え,新しい概念を考案した。即ち,部材毎の剪断流の式を導く際,横断面内の代表店番号の大小関係を利用して,「横断面を構成する部材同士の接続関係」を判断する方法を用いて,コンテナ船の船首尾に存在するひな壇形状や船尾船倉部の横断面形状にも,水平曲げにおける本解析法および実用化システムが出来るようになり,汎用性が更に向上した新HB-Warpsが,ほぼ完成した。(この成果は,H20年5月30日,日本船舶海洋工学会春季講演会にて講演予定,日本船舶海洋工学会講演論文集第6号に発表予定) 2.本年度は,まず,実船であるコンテナ船の図面などから,船殻構造モデルを作成した。同時に,水平曲げと捩れは連成するため,上記1の新HB-Warpsを用いながら,新しい概念を導入して,新TR-Warpsの開発を行い,次のような成果を得た。(1)剪断中心の位置の決定法及び横断面の板厚中心線が囲む面積2Fの決定法に,「部材の始点、終点の各座標で判断させる」という概念を導入し,横断面)形状にとらわれることなく,剪断中心の位置及び囲む面積2Fが求められる。(2)上記1の方法をベースに,サンブナンの捩りによる剪断流係数の決定法に,横断面の積分経路とセルの周回積分経路の方向を判断することにより,横断面の形状にとらわれることなく剪断流係数を求めることができる。(3)捩りによる反り関数の計算に,上記1の成果である「部材同士の接続関係」を導入することにより汎用化できる。 以上より,従来では解析が困難であったコンテナ船の船首尾に存在するひな壇形状や船尾船倉部の横断面形状にも,TR-Warpsが適用できるようになり,汎用性が更に向上した新TR-Warpsが,ほぼ完成した。
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