1. 6Sによる放射伝達シミュレーションと衛星画像のデータ解析を比較・検討することにより、大気・地形パラメータの計算方法をより具体的になるように改善した。 (1) 地表面付近の大気の影響を解析し、照返し光に大気による影響を組み込んだ。 (2) 分光反射率と背景放射光の関係を定量的に評価するとともに、衛星画像の影の部分での境界からの距離による輝度の変化から、その影響を定量的に評価した。 2. 簡易的な大気・地形効果補正法におけるパラメータ設定の方法を改善した。 (1) 天空光の非等方性を考慮した地形パラメータC決定のモデル式を導出した (2) 影の部分の衛星画像に重回帰分析を適用し、上記モデルの妥当性を検証した。 3. ランドサットTM以外の衛星データに大気・地形効果補正を行うため、センサーの特性やファイル形式を調査し、精密な幾何補正などに関する予備的な検討を行った。 (1) ディジタルナンバーを物理量(分光放射輝度)に変換するために必要となるASTER、だいちAVNIR-2などの校正係数・応答関数を入手した。 (2) 50mメッシュ(標高)よりも高空間分解のASTER-DEMおよびPRISM-DEMの利用を検討した。 (3) 幾何補正の精度を向上させるため起伏による位置ズレの理論式を改良した。 (4) 最適化法による位置ズレの推定に用いるサンプルから水域や雲を植生指標などを用いて、取り除いた。 4. 可視・近赤外域の衛星画像に必要な補正の方法を質問に答える形でまとめた。
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