研究課題/領域番号 |
19560812
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
佐々木 裕 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教 (10128027)
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研究分担者 |
中里 裕臣 農業食品産業技術総合研究機構, 農村工学研究所, 主任研究官 (00373225)
井上 敬資 農業食品産業技術総合研究機構, 農村工学研究所, 研究員 (60414455)
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キーワード | 電磁探査 / 比抵抗 / 磁化率 |
研究概要 |
小型ループ・ループ電磁探査法を導電性地盤に適用した結果、電気比抵抗だけでなく地盤の磁化率が電磁探査法の応答に影響していることが少なくないことが明らかになった。そこで最初に、電気比抵抗と磁化率の任意の分布が与えられたとき、その電磁応答を計算するための3次元フォワード法を開発し、磁化率の分布が電磁応答に与える影響について考察した。小型ループ・ループ電磁探査法においては、磁化率分布の影響は周波数にほとんど依存せず、ループ間隔とその高さに依存することが明らかとなった。小型ループ・ループ電磁探査法ではループ間隔が固定されているため、磁化率分布を精度よく求めるためにはループの高さを変えてデータを取ることが必要であることを示唆している。 上記の電気比抵抗と磁化率の両方を考慮した3次元フォワード計算法をもとに、電気比抵抗と磁化率を未知パラメータとするジョイント・インバージョン法を開発し、どのような組み合わせのデータが与えられたとき、電気比抵抗と磁化率の分布をよりよく再現できるか調べた。最初にループの高さが1つの場合は、磁化率の分布は正しく求められなかったが、電気比抵抗に関しては磁化率異常が存在しない場合と全くかわらない程度の精度が得られた。これは、磁化率の分布が電磁応答に与える影響はほとんど周波数に依存しないことによると考えられる。ちなみに、磁化率を考慮しない従来のインバージョン法を適用した場合は電気比抵抗の分布は正しい構造とは大きくかけ離れた分布となった。ループの高さが2つの場合は、電気比抵抗と磁化率の構造をほぼ再現することができた。 電気探査による比抵抗モニタリングを廃棄物処分揚において実施した。廃棄物処分場の平均比抵抗は10ohrm-m程度であり、廃棄物層の間隙はイオン濃度の高い保有水で満たされていると考えられる。したがって、降雨により比抵抗が大きく変化すると期待されたが、実際にはほとんど変化が見られなかった。これは、比較的古い処分場において安定化が進んだ結果であり、比抵抗モニタリングはそのような処分場においては有効ではないと考えられる
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