(1)破断面制御のための簡易装薬ホルダーを使用する方法の有効性の検証 本研究では、申請者らが実用化技術として考案した簡易装薬ホルダーを使用して破断面制御爆破工法を確立するためのモデル実験を行い、その有効性を明らかにした。この簡易装薬ホルダーは、薄い亜鉛メッキ鋼板を曲げ加工して、2枚を突合せて、くさび形空洞を形成し、衝撃波の集中作用を作り出し、突き合わせ部位置から、亀裂が進展すると、ホルダー内部の爆発ガスが作用して、更なる亀裂進展と破断作用を生じさせる。これを用いて、コンクリート柱状部材(直径20cm、高さ40cm)の水平破断面形成と、コンクリート板状部材の垂直破断面形成のためのモデル実験を行った。実験では、高速度ビデオカメラを用いて、予定破断面にそって形成される亀裂の挙動を観察し、この装薬ホルダーを使用した破断面制御爆破工法の有効性を確認した。これによって、平滑な仕上げ面の形成、健全部の損傷抑制が実現できる。 (2)デカップリング装薬による爆破時の衝撃音の低減化とその評価 提案法は、衝撃波の動的作用と爆発ガスの静的作用を制御して爆破へのエネルギー効率を高めることが出来るため、装薬量の低減化と、装薬時の体積デカップリングを大きくすることが可能となる。使用した簡易装薬ホルダーの体積デカップリングによる装薬条件と爆破時の衝撃音の低減化効果との関係を、コンクリート柱状部材を使用したモデル実験によって評価した。装薬のデカップリングによって、衝撃音は大きく低減化が出来ることが確認された。
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