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2008 年度 実績報告書

システムダイナミクスを用いた将来の日本およびアジア諸国における鉄源需給解析

研究課題

研究課題/領域番号 19560817
研究機関東京大学

研究代表者

松野 泰也  東京大学, 大学院・工学系研究科, 准教授 (50358032)

キーワード鋼材 / マテリアルフロー / ストック / 中国:韓国:台湾:日本
研究概要

中国など、近年経済成長が著しく鉄源需要が急増しているアジア諸国においては、将来どれだけの鋼材需要が見込まれるかを解析し、鋼材の需給バランスに伴う鉄のマテリアルフローを解析するモデルを構築する必要がある。各国の鋼材需要は、人口増加、経済成長、鋼材の最終製品(自動車、建築物、家電製品など)の需要予測など、様々な因子に影響を受けることが予想され、それらの因子を考慮したシステムダイナミクスを用いたモデルの開発が必須である。本年度は、昨年度で得られたモデルへ入力するデータを元に、東南アジア諸国におけるシステムダイナミクスを用いた鉄源の需給とマテリアルフロー評価モデルの開発を行った。
鋼材需要は、人口とGDPの増大に相関が強いと考えられるが、米国など先進国の事例では、GDPがある程度増大した場合に、一人当たりの鋼材消費量は減少することが報告されている。これは、土木・建築物、自動車など、インフラが整備され鋼材が飽和すれば、それ以上、一人当たりの鋼材ストックは伸びないことに起因している。本研究では、その鋼材が飽和する値を、Smaxと定義し、国ごとにネット人口密度を考慮したSmaxを導出した。そして、今後の人口および経済成長シナリオにおいて、各国において鋼材ストックがどれだけ増大するかを推計し、その結果得られる鋼材需要量の推計を行った。
中国では、建築、土木用途ともに、2020年付近で中国の需要量はピークを示し、量は順に3.3億t、1.9億tと予測された。これは2006年の中国の両用途需要量のそれぞれ2.0倍、2.1倍である。日本、韓国、台湾については、建築、土木用鋼材ともに既に飽和に近い状況なので、今後、需要量は減少していく傾向が見られた。
このように、地域性を加味し、鋼材ストック量から需要量を推計したのは意義が大きい。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] トップダウン手法とボトムアップ手法による用途別鋼材蓄積量の推計2009

    • 著者名/発表者名
      平戸崇博
    • 雑誌名

      鉄と鋼 95

      ページ: 96-101

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Estimation of steel consumption and obsolete scrap generation in Japan and Asian countries in the future2008

    • 著者名/発表者名
      Yuma IGARASHI
    • 雑誌名

      ISIJ International 48

      ページ: 696-704

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 他元素との関わりを考慮した日本における亜鉛の動的物質フロー分析モデルの構築2008

    • 著者名/発表者名
      田林洋
    • 雑誌名

      鉄と鋼 94

      ページ: 562-568

    • 査読あり
  • [学会発表] Estimation of Future Steel Demand in East Asia2008

    • 著者名/発表者名
      Elijah Kakiuchi
    • 学会等名
      The Eighth International Conference on EcoBalance
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2008-12-10

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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