研究課題/領域番号 |
19560827
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
水内 亨 京都大学, エネルギー理工学研究所, 教授 (20135619)
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研究分担者 |
岡田 浩之 京都大学, エネルギー理工学研究所, 准教授 (50169116)
小林 進二 京都大学, エネルギー理工学研究所, 助教 (70346055)
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キーワード | ヘリカル系磁場 / 非誘導電流 / 回転変換 / ダイバータ / 磁気島 |
研究概要 |
プラズマ生成に伴う閉じ込め磁場構造の自発的変形、特に非誘導電流の影響を実験的に調べている。 平成19年度計画に従って、 1.プラズマ生成、特に非誘導電流によるダイバータプラズマ位置の変動に関するデータベース拡充、 2.最外殻磁気面近傍における磁場トポロジー変化の調査、 に注目した実験研究を進めた。また、この間の実験観測により、 3.最外殻磁気面内部の磁場構造変化とそれに伴うプラズマ特性の変化 に関する興味深いデータを得ることができた。各項目に関する主な成果は以下の通りである。 1.従来ダイバータプラズマ位置の放電中の移動を計測するため可動式ターゲット上の光位置観測を行ってきたが、この計測からの情報量を増やす目的で既存ターゲットに側板を取付け、2次元構造の変化を観測した。得られたデータの詳細は現在解析中であるが、今回取り付けた側板位置の最適化が必要であると思われる。 2.トーラス内外二箇所の可動プローブ計測により、ある磁場配位で非誘導電流の大きさが特定の値になると、イオン飽和電流値が急に増加する場所が存在することを発見した。これは、非誘導電流によるポロイダル磁場により、最外殻磁気面の外側に磁気島様の構造が出現した可能性を示唆するものであり、より広い範囲での計測へ発展させたい。また、プラズマ閉じ込め状態の遷移に伴い、周辺領域プラズマの非対称性あるいは「流れ」が発生している可能性も示唆され、今後の研究でより詳細なメカニズムを解明する必要がある。 3.(1)磁気プローブやSX線分布計測等を用いたMHD揺動構造解析により、非誘導電流による回転変換変化に伴う有理面位置の移動を推定できることがわかり、磁場構造変化の理解に必要な電流分布推定の可能性が示された。 (2)プラズマ閉じ込めにおける遷移現象発現に非誘導電流の大きさが強く関係していることが示され、磁場構造変化、特に有理面の出現との関連が興味深い。 これらに関しては、次年度以降も注目して行きたい。
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