磁場方式による核融合プラズマの研究はJT60やLHDなどのトカマク型装置やヘリカル系装置において精力的に研究され、特にその閉じ込め・輸送特性においては帯状流や空間シアを有するプラズマ流が本質的な役割を果たすことが明らかになってきている。しかし、これまでの研究は、低ベータ値における電磁的ドリフトアルフェン波などの研究を除けば、ミクロスケールの静電的なドリフト波に限られていた。本研究は、低ベータ近似に基づく静電的ドリフト乱流のドリフトアルフェン波への単純な拡張とは異なった非線形アルフェン波の理論に基づいて、高ベータプラズマにおける帯状流や帯状圧力、および帯状磁場などの帯状モードとそれらが乱流やMHD過程に及ぼす影響を明らかにすることを目的とする。特に、これまで行った微視的乱流における帯状流の挙動に関する知見に基づいて、電磁モードを含む様々なスケールの揺らぎの複雑な非線形相互作用とそれに伴う輸送を理解することを目的に、アルフェン波による帯状モード発生の物理機構とそれがアルフェン波に与える影響を明らかにすることを目指す。
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