研究概要 |
高磁束低密度生成および超音速移送法の確立を目指して行なわれた。達成プラズマパラメータは,生成部でプラズマ半径5cm,長さ80cm,電子密度3x10^<21>m^<-3>,プラズマ温度220eV(イオン温度120eV),ポロイダル磁束0.3mWbである。移送速度は、最大150km/sでアルベン速度で規格化すると1前後である。移送後のプラズマパラメータは、プラズマ半径12cm、長さ140cm(体積比で8倍程度),電子密度5x10^<20>m^<-3>、電子温度20eV、プラズマ温度50eV、ポロイダル磁束0.2mWbである。プラズマは、n=2モードの楕円変形によって崩壊するが、成長の様子は移送しない場合の成長と大きく異なる。移送前後のパラメータを比較すると断熱変化でプラズマパラメータを推定できるが、内部エネルギーから変換された移送の運動エネルギーの再熱化がはっきりと観測されない。このプラズマを中性粒子が封入された領域に移送し,プラズマへの背景粒子の効果を調べた。生成部に封入された粒子数の5%程度の封入粒子数中への移送で、配位時間の伸長、粒子数や磁束減衰時間の減少が確認された。また、回転不安定性の発生(イオン回転の発生)原因に磁束減衰に伴うイオン軌道の変化による角運動量の発生や電場による加速機構、電子摩擦による減衰機構等が提案され、イオンドプラー分光計測から得られたイオンの回転速度の空間分布と比較された。回転速度の成長を説明できるが、空間分布の比較にまでには至っていない。ポロイダル磁束の増加による閉じ込め特性とプラズマの巨視的運動(シフト、傾斜、内部傾斜、楕円変形)の関係が調べられた。FRCを磁気双極子の集合と考え運動をモデル化し発生する磁気揺動の3次元構造が計算され、生成/移送時の実験結果と比較された。プラズマパラメータ、回転、電位制御に用いる等の制御用の磁化同軸ガンの最適化が行なわれた。
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