研究概要 |
(1)磁場反転配位(FRC)プラズマの背景にある中性粒子中および弱電離プラズマ中への移送実験の検討から背景粒子による等価的な中性粒子ビームの効果が明確にされた。現在の実験パラメータ領域(移送速度が音速程度(100km/s),背景粒子が重水素)では,背景粒子入射による粒子補給や周辺プラズマパラメータの改善により粒子閉じ込め時間や磁束減衰時間の伸長など閉じ込め特性の改善が顕著にみられる。粒子シミュレーションに於いても同様の結果が示された.さらに背景粒子種や移送速度の最適化によりプラズマ加熱の効果(エネルギー供給)を顕著にする可能性も示された.(2)磁場反転配位周辺に存在する中性粒子数を分光的な手法で見積もる方法が確立された.衝突輻射モデルをベースにトカマクなどで用いられる方法を改良した.逆バイアステータピンチ法で生成されるFRCプラズマでは,この手法を用いると周辺に1x10_<19>m_<-3>の中性粒子が存在していると思われる.生成過程における中性粒子の振舞いは,電子密度や磁場分布の時間推移から推測されるもの矛盾してないことがわかった.(3)FRCプラズマのトロイダル流速のシアーの観測が行われた.従来の観測と異なり,配位の生成直後は常磁性方向に流速(10km/s)を持っているが平衡状態に向けて反磁性方向への加速が促進され平衡状態の20μsには反磁性方向の流速となることがわかった.回転不安定性の成長が顕著に観測される35μsには,20km/sに達する.セパラトリックス付近にトロイダル流速のシアーがあることがわかった.これらがFRCプラズマの安定性に関係するものと思われる.
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