研究概要 |
本研究では,高速カメラによる観測とフォトダイオードアレイトを用いた計測を相補的に用いた高時間分解能3次元イメージング手法によって,高温プラズマ中へ入社された固体水素ペレットが溶発して形成される高密度プラズモイドの非拡散的輸送の詳細観測を行い,固体水素ペレットによって供給された粒子がプラズマ中へ散逸してゆく機構を明らかにすることを目的としている. 当該年度は,高速カメラと2分岐イメージングファイバを組み合わせた,ステレオ3次計測システムにより,プラズマ中に入社された固体水素ペレットの溶発挙動を観測した.この観測によって,固体水素が溶発して生成される高密度プラズモイドの分離・加速挙動を確認するとともに,プラズマ粒子とペレットの相互作用による,ペレット飛翔軌道の大きな偏向を観測した.さらに,これらの挙動を高時間分解能で観測することを目的として,8×8マトリックスのバンドル光ファイバ光学系と高速PINフォトグイオード検出器を用いたペレット溶発発光計測システムを構築した.この溶発発行計測システムの光学系を高速カメラと同じ視野とすることによって,高速カメライメージで空間分解能を補完しつつ,高時間分解能かつ広いダイナミックレンジの観測を可能となる.すなわち,時間分解能は数10μsから数100nsへ,ダイナミックレンジは10bitから14bitへ改善される. 次年度はこれらの溶発発光計測システムを利用して,固体水素ペレットによって供給された粒子がプラズマ中へ散逸してゆく機構を明らかにする.
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