研究課題/領域番号 |
19560832
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研究機関 | 独立行政法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
松本 太郎 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門, 研究主幹 (50354676)
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研究分担者 |
宮戸 直亮 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門, 研究副主幹 (80370477)
徳田 伸二 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門, 研究職 (60354578)
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キーワード | 乱流輸送 / 統計的性質 / トカマク / 帯状流 / 帯状磁場 / 確率密度関数 / ジャイロ流体モデル / 簡約化MHDモデル |
研究概要 |
トカマクをはじめとする磁場閉じ込めプラズマでは、様々な時定数及び特徴的長さを持つ乱流揺動と、それによって二次的に生成される帯状流(半径方向に依存して交互に存在ポロイダル方向の層流)と呼ばれる層流が、多様な揺らぎの構造を形成し、輸送現象に影響を及ぼしている。このような乱流が支配する輸送の解析には、シミュレーションによる再現と共に、乱流の特性を様々な側面から特徴付けることが必要である。そこで、イオン系のダイナミクスによって形成されるイオン温度勾配乱流揺動の統計的性質を調べるために、スラブシア配位におけるジャイロ流体シミュレーション結果の解析を進め、イオン温度勾配に依存して形成される「帯状流」の存在下における乱流揺動の相関次元、確率分布関数、相互相関、三次相関等の統計量に与える影響をに明らかにした。 また、このイオン系の乱流の統計的特性と、前年度までにこれまでに行ってきた電子温度勾配が駆動する乱流の統計的特性、そしてJFT-2Mトカマク装置における重イオンビームプローブによって得られたデータの統計的特性を比較検証し、シミュレーションから得られた帯状流の弱い電子系及びイオン系乱流とJTT-2MのLモードプラズマの揺動の確率密度関数が相似形であること等を明らかにした。 更に、強いプラズマ流が存在する場合において、簡約化運動論モデルから評価される密度、温度や流速などの流体的諸量と実験的に観測される物理的な流体的諸量との間の関係式を、強いプラズマ流を含む簡約化運動論モデルに基づき、形式的に厳密な表現を摂動展開することにより導き、簡約化モデルを用いた理論・シミュレーションの結果と、実験結果との精度の良い比較を可能にした。
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