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2008 年度 実績報告書

イメージングプレートの潜像浮き出し現象のメカニズム解明及び消去法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19560835
研究機関東北大学

研究代表者

大内 浩子  東北大学, 大学院・薬学研究科, 助教 (10241522)

キーワード放射線・X線・粒子線 / イメージングプレート / 固体物理 / 固体検出器 / 光輝尽発光
研究概要

イメージングプレート(IP)では、数ミリグレイ以上のX線照射により、消去不全現象が顕著に現われる。消去不全光の熱クエンチングにより、deep trapの存在が示唆され、消去されない読み取り信号が、短波長側(290nm付近)に深く捕獲された電子に由来することが示された。消去不全光を独自に構築した発光測定装置を用いて測定し、PSL(Photo-Stimulated Luminescence)発光であることを明らかにした。3種類の汎用されている市販IP(BAS-TR、BAS-MS及びST-VI)にエネルギーの異なる2種類のX線を照射することにより消去不全現象を生じさせ、その線量応答性について、600nm付近の電子を用いた読み取りにおける結果と比較した。その結果、線量に対してのリニアな関係、線量率依存性がない、IPの種類差への応答の違い、X線のエネルギー差へのほぼ2桁の応答の違いなど、いずれもそのdosimetry的特性は、600nm付近の電子を用いた読み取りと消去不全光の読み取りとで同じであることがわかった。ただし、感度はいずれのIPでも、消去不全光の方が低かった。これらにより、消去不全現象が生じる原因は、以下のように考えられた。IPに放射線があたると、電子は主に600nmをピークとする領域に捕獲されるが、同時に短波長側でも捕獲される。この特性は蛍光体本体のBaFBr(I) : Eu^<2+>とその工程に依存するので、両者は同じ線量応答性を示す。ただし、前者に比べて後者はきわめて感度が悪く、これは短波長側のトラップサイトの電子の捕獲断面積が小さいことを意味する。
UV光と白色蛍光灯とを同時照射する新消去法を市販消去器に適用し、その消去効果を調べた結果、消去不全光を未照射レベルまで消去することができ、その後の有意な浮き出しも観察されないことが示された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Characteristics of unerasable and reappearing photostimulated luminescence signals in over-irradiated imaging plates and a new complete erasing method2008

    • 著者名/発表者名
      Hiroko Ohuchi, et.al.
    • 雑誌名

      Nucl. Instr. and Meth. A A596

      ページ: 390-395

    • 査読あり
  • [雑誌論文] On the use of a thick carbon target in the 90°Compton spectroscopy for the measurement of diagnostic X-rays2008

    • 著者名/発表者名
      A. Mohammadi, et.al.
    • 雑誌名

      J. Nucl. Sci. Tech supp15

      ページ: 333-336

    • 査読あり
  • [学会発表] 3種類のイメージングプレートにおける消去不全現象とその消去2008

    • 著者名/発表者名
      大内浩子
    • 学会等名
      第7回日本放射線安全管理学会
    • 発表場所
      石川県金沢市金沢歌劇座
    • 年月日
      2008-12-04
  • [学会発表] 大線量照射後のイメージングプレートに生じる消去不全現象と浮き出し現象の解明と解決法2008

    • 著者名/発表者名
      大内浩子
    • 学会等名
      第45回アイソトープ・放射線研究発表会
    • 発表場所
      東京都日本青年館
    • 年月日
      2008-07-04
  • [学会発表] 大線量照射後のイメージングプレートに生じる消去不全放射線像の消去法の開発2008

    • 著者名/発表者名
      大内浩子
    • 学会等名
      第42回日本保健物理学会研究発表会
    • 発表場所
      沖縄県那覇市コンベンションセンター
    • 年月日
      2008-06-28

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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