研究概要 |
本研究では,数値シミュレーションに基づくCO_2ヒートポンプ給湯システムの性能分析のための一次元数値シミュレーション手法を改良するとともに,三次元数値シミュレーションとの融合を図り,システムの性能に大きな影響を及ぼすと考えられる各種条件を総合的に考慮しながら,より詳細な性能分析を行うとともに,設計および運用の最適化を行うことを目的とした.平成20年度における研究実績を以下に示す. (1)三次元数値シミュレーションの実施:貯湯槽から取り出した温水を熱交換した後に,貯湯槽に戻す場合についても,貯湯槽内の水の三次元的な温度分布を把握するための三次元数値シミュレーションを実施した,しかしながら,三次元数値シミュレーションと実験による温度分布が必ずしも良好に一致しなかった.一方,貯湯槽の一次元モデルの一部に完全混合モデルを適用して一次元数値シミュレーションを実施したところ,一次元数値シミュレーションと実験による温度分布が比較的良好に一致することが判明した.今後の課題として,このモデルに基づく一次元数値シミュレーションを考えている. (2)設計・運用条件に関する性能分析・最適化:中温水取り出しの有無の設計条件,出湯温度および沸き上げ入水温度の運用条件,および季節に依存する気温および給水温度の環境条件を変更しながら,一次元数値シミュレーションによって性能分析を行い,各条件がシステム性能に及ぼす影響を明らかにした.これによって,システム性能の設計・運用条件に関する最適化に向けての基礎的な検討を行うことができた.
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