| 研究概要 |
1.昨年度に局所同次な入力アファイン非線形システムに対して,収束速度とセクタ余裕を保証する大域逆最適制御則を開発したが,本年度は収束速度とセクタ余裕は座標系の取り方に依存しないことを明らかにした.この結果から,座標変換によって都合のよいシステムに変形してから収束速度やセクタ余裕を保証する大域逆最適制御則を設計することによって,もとのシステムに対しても収束速度やセクタ余裕を保証する大域逆最適制御則を得られることがわかった.そのため,制御則設計において非常に有用である.
2.フィードバック線形化可能な入力アファイン非線形システムに対して,局所LQ最適性を保証する大域逆最適制御則を開発した,これによって,局所的にLQ最適性を保持しつつ大域的にもセクタ余裕を保証する逆最適制御則を設計することが可能になったので,制御則設計において非常に有用である.
3.入力が凸空間に拘束された入力アファイン非線形システムに対して,適応制御則を開発した.これによって,定常偏差を持つシステムに対しても漸近安定性を保証する制御則を設計できるようになったので,制御則設計において非常に有用である.
4.これまでに最小射影法を用いた非可縮多様体上の制御Lyapunov関数設計法を開発したが,本年度はこの手法を多層の場合に拡張した. これによって,より対称性の高い制御Lyapunov関数を設計できるようになったので, より簡潔な制御則を設計できる可能性がある.
5.これまでに得られた研究成果を国内学会2件,国際学会2件,学術雑誌1件で発表した.また,IEEE Transactions on Automatic Controlに1件, SICE Journal of Control, Measurement, and System Integrationに1件,論文を投稿中である.
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