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2007 年度 実績報告書

メダカの転移因子の突発的転移頻度上昇の機構

研究課題

研究課題/領域番号 19570003
研究機関名古屋大学

研究代表者

古賀 章彦  名古屋大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (80192574)

研究分担者 島田 敦子  東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教 (20376552)
キーワード転移因子 / 転移酵素遺伝子 / 転移頻度 / メダカ / ゲノム / 突然変異
研究概要

転移因子の転移頻度が突発的に上昇する現象は、トランスポジションバーストとよばれ、多数の生物種で事例がある。本研究の目的は、メダカでこの現象が観察されたTol1因子に関して、その機構を解明することである。1年目である本年度は、この現象を人為的に再現することを目指した。Tol1因子は、メダカのゲノムに100〜200コピー存在する。ただし、そのほとんどが、内部が崩壊した非自律的因子である。そのような状態のゲノムに転移酵素を供給すると、非自律的因子の転移が再開することが、予想される。この予想を確認するために、2段階の作業を行った。第1段階は、非自律的因子をまったくもたない系統を準備することである。そのために、因子の各部をプローブとして、ゲノムDNAのサザンブロットを行った。そして、端部のプローブにはシグナルは出るが中央部のプローブでは出ない系統を選んだ。標準的な系統として多用されているHNI系統が、これに該当した。第2段階は、この系統に転移酵素を供給し、転移を検出することである。これを、転移酵素のRNAを受精卵に注入するという方法で、行った。注入から7日後にゲノムDNAを抽出し、Tol1因子をはさむプライマーを5組用いて、PCRを行った。転移が起こればTol1因子が抜けるため、その分短くなったDNA断片が生じるはずである。5組のすべてについて、そのような断片が生じるという結果が得られた。産物の量は、自然で転移が起こる場合の100倍以上であり、転移頻度が高いことが推察された。以上のように、トランスポジションバーストを人為的に再現することができた。この結果の意義は、トランスポジションバーストの機構を解明するための簡便な実験系が準備できたことにある。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) 産業財産権 (1件) (うち外国 1件)

  • [雑誌論文] The Toll transposable element of the medaka fish moves in human and mouse cells.2007

    • 著者名/発表者名
      Koga A, Shimada A, Kuroki T, Hori H, Kusumi J, Kyono-Hamaguchi Y, Hamaguchi S
    • 雑誌名

      Journal of Human Genetics 52

      ページ: 628-635

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The Toll element of medaka fish is transposed with only terminal regions and can deliver large DNA fragments into the chromosomes.2007

    • 著者名/発表者名
      Koga A, Higashide I, Hori H, Wakamatsu Y, Kyono-Hamaguchi Y, Hamaguchi S
    • 雑誌名

      Journal of Human Genetics 52

      ページ: 1026-1030

    • 査読あり
  • [雑誌論文] PCR detection of excision suggests mobility of the medaka fish Toll transposable element in the frog Xenopus laevis.2007

    • 著者名/発表者名
      Hikosaka A, Koga A
    • 雑誌名

      Genetical Research 89

      ページ: 201-206

    • 査読あり
  • [学会発表] メダカのトランスポゾンToll:転移酵素遺伝子の構造・機能・変異2007

    • 著者名/発表者名
      古賀 章彦
    • 学会等名
      第30回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      横浜市
    • 年月日
      2007-12-11
  • [産業財産権] Tol1因子のトランスポザーゼ及びそれを用いたDNA導入システム2007

    • 発明者名
      古賀章彦・濱口哲
    • 権利者名
      名古屋大学・新潟大学
    • 産業財産権番号
      PCT出願、PCT/JP2007/073565
    • 出願年月日
      2007-12-06
    • 外国

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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