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2007 年度 実績報告書

サルモネラ特異的アディクションモデュールの発現制御と生理機能

研究課題

研究課題/領域番号 19570005
研究機関岡山大学

研究代表者

沓掛 和弘  岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (90143362)

研究分担者 伊豫田 淳  国立感染症研究所, 細菌第一部, 主任研究官 (70300928)
キーワードトキシン / アンチトキシン / アディクションモデュール / 増殖阻害 / 温度感受性 / 転写解析 / プルダウン解析 / サルモネラ
研究概要

サルモネラはストレス特異的シグマ因子RpoSを高発現させると増殖が阻害される。その原因を解析する過程で,RpoSによって発現が誘導される新規トキシン遺伝子rsaBを発見し,さらにその上流の遺伝子rsaAはそれに対するアンチトキシンをコードしていることを明らかにした。このことから,rsaA-rsaB遺伝子セットは1組のアディクションモデュールを形成していると考えられる。このモデュールは既知のアディクションモデュールとは相同性を示さず,サルモネラに特異的に存在する。本研究は,このモデュールの発現制御機構と生理機能を解明することを目的として計画されたものである。本年度の研究によって得られた成果は以下の通りである。
1.RpoS高発現時のRsaBによる増殖阻害効果は高温時に特異的に見られることが明らかになった。しかし,RsaB自身を高発現した場合には,低温でも増殖阻害効果が見られた。したがって,増殖阻害効果の温度依存性はRsaBの発現または機能発現が温度依存性であることに起因しているものと考えられる。
2.ノーザンプロッティングによる転写解析の結果,予想通りrsaB遺伝子はRpoS依存的に転写されていることが示されたが,これに対して,rsaA遺伝子の転写は本実験条件の範囲内では検出されないことが明らかになった。
3.RsaAおよびRsaB蛋白質の欠失解析の結果,RsaAのアンチトキシン活性とRsaBのトキシン活性はともに,それぞれの蛋白質のC末側領域に局在することが明らかになった。
4.RsaBトキシンの標的分子の同定を目指して,精製RsaB蛋白質を用いたプルダウン解析を行ったところ,翻訳制御蛋白質であるCsrAが共精製されてくることが明らかになった。サルモネラではcsrAが必須遺伝子であることと合わせて考えると,RsaBはCsrAに結合してその機能を阻害することによりトキシン活性を発揮するものと推定される。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Production of novel anti-recombinant human erythropoietin monoclonal antibodies and development of a sensitive enzyme-linked immunosorbent assay for detection of bioreactivehuman erythropoietin2008

    • 著者名/発表者名
      Yanagihara S
    • 雑誌名

      Journal of Immunoassay & Immunochemistry 29

      ページ: 181-196

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Molecular characterization of enterohemorrhagic Escherichia coli 0157:H7 isolates dispersed across Japan by pulse-field gel electrophoresis and multiple-locus variable-number tandem repeat analysis2008

    • 著者名/発表者名
      Pei Y
    • 雑誌名

      Japanese Journal of Infectous Disease 61

      ページ: 58-64

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Identification of enterohemorrhagic Escherichia coli 0157-specific DNA sequence obtained from amplified fragment length polymorphism analysis2007

    • 著者名/発表者名
      Tokunaga A
    • 雑誌名

      Microbiology and Immunology 51

      ページ: 883-888

    • 査読あり
  • [学会発表] ストレスシグマ因子RpoSで誘導される2つのトキシン遺伝子:サルモネラのTAシステムの発現制御と生理機能2007

    • 著者名/発表者名
      沓掛和弘
    • 学会等名
      日本遺伝学会第79回大会
    • 発表場所
      岡山大学(岡山)
    • 年月日
      2007-09-19

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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