研究概要 |
今年もスカイサ一ファーを用いて,茨城県南部の全コロニーの個体数および種数推定を行った。また、麻酔薬を使った個体の捕獲とテレメターによる標識調査も行った.テレメターには改良を加え、防水面、電波到達能力などに向上が見られた。 昨年度に比べ,鷺個体の捕獲効率が大輻に落ち,満足のいく数の個体に発信器の装着が出来なかった。これは,捕獲を行っている2っのコロニーのうち、1カ所では営巣木の伐採のために捕獲しにくい林に移ったため、そしてもう一方のコロニーでも昨年何者かによってコロニー内部に大きな撹乱を受け、営巣場所が捕獲しにくいシノタケ林の方向に移ったためである。それでも20羽ほどを捕獲、発信器を装着したが、その全ての個体が冬の間は留鳥として留まることはなく、現時点で追跡できている個体は皆無である。 個体追跡による餌揚環境の評価が現実問題としてできなくなったため、臨機応変に手法を変え、コロニー内部での雛のはき戻しを用いた餌の特定作業を行った。その結果、4つのコロニーの間で6種のサギ類に関して、食性に関して高い種内変異が見られた。特にコロニーを構成する個体数の増加うすと高い種内変異が見られる傾向にあった。この内容は第56回日本生態学会にてポスター発表を行った。 捕獲・標識調査に時間を取られ,過去のコロニーや塒のデータのデータベース化の進展が著しく低かった.来年度は主にデータベース構築部分に力を注いで取り組む予定である。
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