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2008 年度 実績報告書

湿潤変動帯に特異的な植生構造とその動態および地史的・進化的背景

研究課題

研究課題/領域番号 19570017
研究機関横浜国立大学

研究代表者

酒井 暁子  国立大学法人横浜国立大学, 大学院・環境情報研究院, 助教 (20344715)

キーワード地形傾度 / 斜面の削剥 / 地表撹乱 / 森林発達 / 丹沢山地 / フサザクラ / GIS / 樹木の空間分布パターン
研究概要

プレート境界に位置するため隆起・侵食が日本の中でもとりわけ速い丹沢山地において、地形と森林樹木の分布パターンの解析を行った。樹木の胸高断面積(BA)合計は、周囲より標高の高い尾根的な場所ほど、また傾斜が緩く土が厚いほど大きく、森林の局所的な発達パターンは地形上の位置による地表の撹乱強度の差異に強く規定されていることが明らかとなった。この傾向は大径木の分布が尾根筋に限定されることが要因の一つであり、大径木になり得るブナやモミの分布傾向である程度説明ができた。斜面下部ではフサザクラ、ミズキ等が優占する特徴的な植生がみられた。一方尾根直下からそうした谷植生の間の斜面の微地形構造と植生分布についてはさらなる調査解析が必要である。また流域によっては斜面下部にも大径木が分布することから、地域全体の傾向を把握するためには流域による地表の安定性の違いや侵食パターンの違いを考慮する必要があると考えられた。流域間および斜面の上下で渓流水の窒素濃度や土壌の窒素生成能力が異なり、またバイオマスやアロケーション、根系の形態などに関して樹種によって窒素施肥への反応性が異なることから、樹種の分布パターンには地表の安定性だけでなくそうした栄養条件の違いが反映されている可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Ecological risks in anthropogenic disturbance of nitrogen cycles in natural terrestrial ecosystems.2009

    • 著者名/発表者名
      Fujimaki, R.
    • 雑誌名

      Ecological Research (印刷中)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 窒素の過剰供給と森林生態系の変化2008

    • 著者名/発表者名
      酒井暁子
    • 雑誌名

      化学物質と環境 90

      ページ: 17-19

  • [学会発表] 地形が規定する森林の構造-侵食作用が卓越する丹沢山地の例-2009

    • 著者名/発表者名
      酒井暁子
    • 学会等名
      日本生態学会56回全国大会
    • 発表場所
      盛岡
    • 年月日
      20090300
  • [学会発表] 窒素負荷に対する広葉樹実生の根係形態の応答2009

    • 著者名/発表者名
      藤巻玲路
    • 学会等名
      第120回日本森林学会大会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      20090300

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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