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2008 年度 実績報告書

照葉樹林の植生動態に対するシカと外来植物の影響と生物多様性保全に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19570028
研究機関大阪産業大学

研究代表者

前迫 ゆり  大阪産業大学, 人間環境学部, 教授 (90208546)

研究分担者 名波 哲  大阪市立大学, 理学研究科, 講師 (70326247)
キーワード照葉樹林 / 防鹿柵 / 外来種 / 生物多様性 / シカ・外来種実験系 / ナギ / ナンキンハゼ / 春日山原始林
研究概要

春日山原始林(世界文化遺産、国指定天然記念物)域の照葉樹林群集に大きな負荷を与えている外来種(ナギとナンキンハゼ)の侵入・拡散とシカの食害という二つの生物的要因の相互作用を、野外実験系の設定とモニタリングによって解明するために,2007年9月に,シカが立ち入らない柵を設置する実験モニタリングサイトを春日山原始林に構築した(文化庁および奈良県・市の調査許可申請済)。計7カ所の防鹿柵設定後,春,秋の年2回,新規参入実生(木本),枯死木本をナンバーテープによって個体識別しながら,追跡調査を行った。また,年1回,草本の組成について,確認した。さらに,柵内に設置したシードトラップを設置し,シードトラップに入った種子の同定および種子数をカウントし,森林内に種子の散布がどの程度,森林更新に寄与しているのか,シカの影響はどの程度,負荷を与えるのかを評価するための調査を継続中である。
また,自動撮影装置を計,8カ所に設置し,シカ,イノシシ,ネズミといった中型〜小型のほ乳類,フクロウ,カケスなどの鳥類が写っており,現在,シカの雌雄同定,個体数の解析などを行っているところである。防鹿柵設置後,1年経過した時点で,もっとも顕著に把握できたのは,実生消失が,防鹿柵外で著しいこと,草本の多様性が場所によっては,著しく柵内で増加していると言うこと,草本の高さが柵内で顕著に高いことなどである。実験設定することにより,シカの森林に対する影響を定量的に評価できるものと考えているが,ナギとナンキンハゼの外来種が,どのような影響につながるかについては,まだ十分解析がされていない。シードトラップの結果についても,現在解析している段階である。
今年1年さらに,追跡調査を行い,種子流入,実生の再残,外来種の他種への影響,シカの森林利用などに関する情報を総合的に評価し,実験系の成果をまとめたいと考えている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 照葉樹林に拡大する外来樹木とシカの関係2009

    • 著者名/発表者名
      前迫ゆり
    • 雑誌名

      植生情報(植生学会発行) 13号(印刷中)

      ページ: 1-4

  • [雑誌論文] 御蓋山のナギに起きた種子生産リズムの崩壊2008

    • 著者名/発表者名
      塩見修平, 名波哲, 平山大輔, 伊東明, 山倉拓夫
    • 雑誌名

      社叢学研究 6

      ページ: 70-77

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 春日山照葉樹林とナギ林における樹木実生集団の比較御2008

    • 著者名/発表者名
      依田綾子, 高柳敦, 神崎護
    • 雑誌名

      関西自然保護機構会誌 30

      ページ: 123-134

    • 査読あり
  • [学会発表] 奈良県御蓋山におけるイヌガシの性比と生活史特性の性差2009

    • 著者名/発表者名
      名波哲(大阪市大院理), 川口英之, 山倉拓夫
    • 学会等名
      第120回日本森林学会大会
    • 発表場所
      京都大学
    • 年月日
      2009-03-26

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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