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2007 年度 実績報告書

根冠コルメラ細胞に重力感受・応答機能を付与する分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 19570031
研究機関東北大学

研究代表者

藤井 伸治  東北大学, 大学院・・生命科学研究科, 准教授 (70272002)

研究分担者 宮沢 豊  東北大学, 大学院・生命科学研究科, 助教 (00342858)
キーワード植物 / 根 / 重力屈性 / 突然変異体 / デンプン / Phosphoglucomutase / シロイヌナズナ
研究概要

植物の根は根冠コルメラ細胞で重力刺激を感受し,そのシグナルを伸長領域に伝達することにより重力屈性を発現し,環境に適応している.本研究では,根の重力応答機構の中で研究が進展していない根冠コルメラ細胞分化,沈降性アミロプラストの分化誘導,ならびに根の重力感受機構を明らかにすることを目的としている.そのために,光屈性が重力屈性に干渉することを利用した実験系を利用して,シロイヌナズナのEMSで突然変異を誘発した10万個体のM_2を選抜した結果,44系統の根の重力屈性異常突然変異体を単離し,現在,これらの遺伝的解析を行なっている.第5染色体に突然変異遺伝子が座上していた25-66系統は,pgm-1(phosphoglucomutase-1)突然変異体との相補性検定の結果から,PGM遺伝子に突然変異が生じていることが示唆された.PGMタンパク質はデンプン生合成を担っており,PGM遺伝子の機能が完全に欠損したpgm-1突然変異体の根では重力感受性が低下する.このことから,植物の根はデンプンを含むアミロプラストが沈降することにより,重力を感受していると考えられている(デンプン平衡石説).25-66系統では、デンプン粒の染色が認められることから,本系統のFGM活性は完全には消失せず,低下にとどまり,重力屈性の発現に必要なデンプン量の閾値よりも少ないデンプンが合成されていると予想される.従来,pgm突然変異体はデンプン量を指標に単離されてきた.重力屈性と光屈性の干渉作用を利用した実験系により,暗所では野生型との間で根の伸長方向に有意差が認められないpgm突然変異体のアリルを単離できた.したがって,本実験系により,根の重力応答性を完全に欠損しない新規の突然変異体の単離が可能であると期待される.

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (6件)

  • [雑誌論文] p-Chlorophenoxyisobutyric acid impairs auxin response for gravity-regulated peg formation in cucumber(Cucumis sativus)seedlings2008

    • 著者名/発表者名
      Minobu Shimizu, Yutaka Miyazawa, Nobuharu Fujii, Hideyuki Takahashi
    • 雑誌名

      Journal of Plant Research 121

      ページ: 107-114

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Isolation of root agravitropic mutants of Arabidopsis by experiments using interfering effects of phototropism on gravitropism2008

    • 著者名/発表者名
      Nobuharu Fujii, Yuji Kanno, Hiroko Yamaguchi, Yutaka Miyazawa, Hideyuki Takahashi
    • 雑誌名

      Space Utilization Research 24

      ページ: 409-411

  • [雑誌論文] Light inhibits gravity-regulated peg formation and asymmetric mRNA accumulation of auxin-inducible CslAA1 in the cortex of the transition zone in cucumber seedlings2007

    • 著者名/発表者名
      Nobuharu Fujii, Yuko Saito, Yutaka Miyazawa, Hideyuki Takahashi
    • 雑誌名

      Advances in Space Research 39

      ページ: 1147-1153

    • 査読あり
  • [学会発表] 重力形態形成時のキュウリ芽生えにおけるオーキシン分布の免疫組織化学的解析2008

    • 著者名/発表者名
      渡邉千秋, 藤井伸治, 宮沢豊, 高橋秀幸
    • 学会等名
      第49回日本植物生理学会年会
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      20080320-22
  • [学会発表] キュウリの根の水分屈性と重力屈性に機能するオーキシン輸送機構2008

    • 著者名/発表者名
      諸橋恵太, 矢内健一, 堀田拓哉, 藤井伸治, 宮沢豊, 高橋秀幸
    • 学会等名
      第49回日本植物生理学会年会
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      20080320-22
  • [学会発表] 光屈性の重力屈性への干渉作用を利用した実験系によるシロイヌナズナの根の重力屈性異常突然変異体の単離と遺伝解析2008

    • 著者名/発表者名
      藤井伸治, 菅野佑司, 山口弘子, 宮沢豊, 高橋秀幸
    • 学会等名
      第49回日本植物生理学会年会
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      20080320-22
  • [学会発表] 重力屈性と光屈性の干渉作用を利用して単離したシロイヌナズナの根の屈性異常突然変異体の解析2007

    • 著者名/発表者名
      藤井伸治, 菅野佑司, 山口弘子, 宮沢豊, 高橋秀幸
    • 学会等名
      日本宇宙生物科学会第21回大会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20070927-28
  • [学会発表] キュウリ芽生えの内皮におけるオーキシン排出キャリアCsPIN1タンパク質の局在及びオーキシンの分布の重力応答性2007

    • 著者名/発表者名
      渡邉千秋, 矢内健一, 藤井伸治, 堀田拓哉, 宮沢豊, 高橋秀幸
    • 学会等名
      日本宇宙生物科学会第21回大会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20070927-28
  • [学会発表] キュウリ芽ばえの内皮におけるCsPIN1オーキシン排出キャリア局在パターンの重力刺激に応答した変動2007

    • 著者名/発表者名
      藤井伸治, 矢内健一, 堀田拓哉, 宮沢豊, 高橋秀幸
    • 学会等名
      日本植物学会第71回大会
    • 発表場所
      野田
    • 年月日
      20070907-09

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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