研究概要 |
1.ゲノム上に存在するイネ特有のキネシンの検索 イネゲノムDNA上に存在する植物またイネ特有のキネシンの検索をおこなった。イネのゲノム構造は既に公開されているので、一般的な塩基配列解析ソフト(BLAST,GENETYX)を用いて、既に解析されている動物や線虫のキネシンの塩基配列と比較することによりイネに特徴的な配列と予測される特徴的な構造をもつものを検索した。そして既に性質と構造解析が進行している特徴的な構造を持つイネキネシンK16,N14,O12,D04,L05の他に、本年度の研究により新たに10種類の特徴的な構造をもつイネキネシンK23,E11,H12,E15,D10,J12,B01,A05,C17,N20を見いだした。 2.イネ特異的キネシンのクローニングと発現系の構築 見いだされたイネ特有の構造をもち、K16,N14,012,D04,L05,K23,E11,H12,E15,B01のクローニングと発現系の構築を試みた。これらのキネシンをコードするcDNAプラスミドを研究協力者である新潟大学農学部・三ツ井敏明教授の協力により、農業生物資源研究所イネゲノムプロジェクトから提供してもらい、申請者がマウス脳キネシンにおいて確立した方法に従って、発現ベクターにサブクローニングした。そして大腸菌による発現を行った。その結果、K16,N14,012,D04,L05の発現が確認された。 3.生化学的特徴づけ 発現に成功したイネキネシンの微小管との相互作用とATPaseの速度論的解析を行った。その結果O12は微小管が存在しないとき他のキネシンと比較して著しくATPの結合が遅いことが明らかとなった。また微小管との相互作用も他のキネシンとは異なる結果が得られた。
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