研究概要 |
イネ特異的キネシンのクローニングと発現系の構築 塩基配列の解析から新たに見いだされたイネ特有の構造をもつキネシンE15を確立した方法に従ってクローニングを行い大量発現を構築することに成功した。 生化学的特徴づけ E15の生化学的特徴付けを行うために1. ATPase活性2.微小管との相互作用3. In vitro motility assayによる微小管の滑走速度などの測定を行った。そして、いままでに性質を明らかにしているイネキネシンおよびその他の種のキネシンと比較を行った。 ストップト・フロー装置を用いた速度論的解析 新たに発現することに成功したE15とこれまでに発現に成功しているD04,L05,N14,O12の速度論的解析を蛍光標識ATPアナログNBD-ATPとストップト・フロー装置を用いて解析を行った。そして今までに報告されているキネシンと比較を行った。イネキネシンO12は微小管が無い状態ではATPの結合が極めて遅く、結合が抑制されていることが明らかになった。 溶液中での局所的、全体的構造解析 生化学的解析と結晶構造が明らかになったイネキネシンK16のATP加水分解に伴う全体的な構造変化を捉えるためにK16-GFP融合蛋白を調製してX線溶液散乱と蛍光エネルギー移動法を用いて解析を行った。 X線溶液散乱の実験から、 ADP結合状態では融合蛋白の慣性半径がNonucleotide状態の時より小さくなり、コンパクトな構造をとることが示された。これはK16-ADPの結晶構造に見られるネックリンカーがundock状態にあることを反映していると考えられる。
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