研究課題
本研究では1)雄イモリ腹部肛門腺のステロイド画分の雌誘引有効量を確認した。次に、2)その成分である、プレグネノロン、プロゲステロン、アンドロステンダイオン、テストステロン、エストラジオールの分泌量を調べた。腹腺のスライスをメディウム中に放置した後、メディウム中へ溶出したステロイド成分と組織中にステロイド成分の量を質量分析を行うことにより比較した。その結果、腹腺中プレグネノロンとアンドロステンダイオンの一部が腹腺の管腔内に放出されることを確認した。また、その分泌量はそれぞれの総含有量の約半分近くに相当することも確認した。一方、プロゲステロン、テストステロン、エストラジオールはメディウム中には検出されず、腹腺組織中に残ることが確認された。3)さらに、プレグネノロンとアンドロステンダイオンは、それぞれ単独で雌イモリに対する誘引効果をもつことを見出した。またその有効量をしらべたところ、1)のステロイド有効量と同様で腹腺約100分の1個体分に含まれる量に相当することを確認した。先に我々が単離・同定したペプチド性フェロモン"ソデフリン"が1000分の1個体分で有効であること、ソデフリンも約半分が腹腺管内へ分泌されることを考えることを考えるとソデフリンの方がステロイドよりも雌誘引効果が強いことが示唆された。
すべて 2007
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