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2007 年度 実績報告書

湖沼深底部における水生貧毛類相の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19570079
研究機関弘前大学

研究代表者

大高 明史  弘前大学, 教育学部, 教授 (20223844)

キーワード水生貧毛類 / 湖沼 / 深底部 / 分類 / 生物相 / 生物多様性
研究概要

1. 湖沼深底部の貧毛類群集の構成を種レベルで把握するために,平成19年度は,当初の予定どおり,十三湖,津軽十二湖湖沼群,田沢湖,中禅寺湖,野尻湖,青木湖,中綱湖,諏訪湖で調査を実施した。採集した標本は,各種プレパラートにしたのち,分類学的観察を行った。木崎湖と諏訪湖を除く調査湖沼はいずれも,貧毛類の種レベルでの調査は初めてである。
2. 山間に位置する貧栄養の青木湖と中禅寺湖は,深底部の貧毛類群集がイトミミズ(Tubifex tubifex)だけからなる点で互いに類似し,また平地の富栄養湖である中綱湖と諏訪湖の群集もユリミミズ(Limnodrilus hoffmeisteri)が優占する点で類似していた。これより,貧毛類の群集構造は,湖沼の立地や栄養段階と関連することが示唆された。一方,山間の中栄養湖である野尻湖の深底部から,日本ではこれまでに琵琶湖北湖からしか記録のないソコユリミミズ(L.profundicola)の生息が確認された。岩木川河口の十三湖は,おそらく高い塩分濃度により,沖合の湖底に貧毛類は出現せず,また,津軽十二湖湖沼群の2湖沼では深水層が無酸素化しており,湖底は無生物帯となっていた。
3. 田沢湖の深底部には大型底生動物が全く見られず,酸性水の導入によって過去にいったん壊滅した群集がいまだに回復していないことが確認された。一方,未成熟のため種レベルの同定はできなかったものの,湖畔の湧水帯から,深底部にかつて生息していた可能性の高い貧毛類の種群が採集された。今後新たな標本を得ることによって,かつて深底部に生息していた群集を明らかにできる可能性がある。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 静岡県・瀬戸川水系の水生貧毛類相2007

    • 著者名/発表者名
      鳥居高明・大高明史
    • 雑誌名

      陸水生物学報 22

      ページ: 15-24

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 日本における外来ヒルミミズ類(環形動物門,環帯綱)の分布の現状2007

    • 著者名/発表者名
      大高明史
    • 雑誌名

      陸水学雑誌 68

      ページ: 483-489

    • 査読あり
  • [学会発表] 琵琶湖底の低酸素化に伴う底生動物群集の変化について2008

    • 著者名/発表者名
      西野麻知子・大高明史
    • 学会等名
      日本生態学会第55回大会
    • 発表場所
      福岡国際会議場(福岡市)
    • 年月日
      2008-03-15

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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