研究概要 |
ベトナム及びタイでアンモニア菌の現地調査の下見を行った。ベトナムはダラット市内のマツ林,7ケ所を調査してリター層の状態及び過去の菌類発生情報に基づき,熱帯生物学研究所ダラット支所内のマツ林を調査地として選定した。同研究所の林地使用許可が3月になってようやく得られたので,現地の協力者に頼んでリダーを採取してポットにつあだ後,尿素を20mg-100mg/g乾土の割合で施与して,培養を開始した。現在,菌の発生を待っている状態である。野外林地での尿素施与は,使用許可を得るまでの所要時間と雨季との関係から,今年4月を待って調査実験を開始した。尿素施与区として,200g尿素/m^2施与区と800g尿素/m^2施与区を設け,発生菌を遺跡調査中である。平成19年度の現地調査時に現地調査協力者に発生菌の乾燥標本の作製方法を教授し,発生菌の採集、記録と標本の作製を依頼した。今年度の現地調査時から,同乾燥標本の同定作業を開始する予定である。タイでは,チェンマイ近郊5ケ所のマツ林を現地調査して,この内の2ケ所を選択し,チェンマイ大学農学部の知人を介して調査使用許可を申請中である。今年7月までに現地の使用許可が得られるとの情報を得ている。奄美地区でのマツ林の野外調査に関しては,鹿児島大学農学部の知人を介して調査地の選定中である。腐生性アンモニア菌Coprinopsis属菌の生物地理的分布あるいは代替する同位種の探索の重要性を示唆しており,今年度の研究では,Coprinopsis属菌を研究ターゲットの一つとすることにした。
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