研究概要 |
蘚苔類の系統関係の骨格部分が描き出された現在,新たな研究課題が浮上し,分子ならびに形態の更なる情報収集が求められている.これら浮上した研究課題を中心に蘚苔類の系統について,下記テーマを掲げて総合的に研究を進め,蘚苔類の系統関係の議論をより強固な根拠に基づいて展開する.(1)配偶体上に半寄生的に生活する胞子体は,形態の多様性の進化を導くような淘汰圧が低く,形態進化が配偶体の形態進化よりも遅い可能性があるとの考えに立脚して,高次分類群の系統関係を明確に反映する形質の探索をめざした胞子体形質を再検討すること,(2)下等陸上植物における祖先的な形質の一つと考えられている『単色素体性細胞』の系統的意義の再検討,(3)既存の分子系統学的解析方法に加えて,ゲノム上の共有派生形質と言える塩基配列中への配列の挿入パターンを利用した解析方法を利用した分子系統学的解析
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