• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2009 年度 実績報告書

亜熱帯島嶼域における維管束植物の倍数性とその進化的意義に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19570089
研究機関琉球大学

研究代表者

傳田 哲郎  琉球大学, 理学部, 准教授 (50284948)

キーワード植物 / 進化 / 染色体 / 倍数性 / 琉球列島
研究概要

本年度は、沖縄島固有種リュウキュウコンテリギの四倍体について、近縁種を含めた核リボソーマルDNAのITS領域(AB377195~AB377211)、ならびに、葉緑体DNA(AB377064~AB377083)の塩基配列に基づく分子系統学的解析に基づいて複倍数体起源である可能性を示唆し、論文として取りまとめた。オオジシバリの倍数性複合体については、ハマニガナ(二倍体)とオオジシバリの頭花より採集した果実を播種して得た幼植物の倍数レベルの調査をおこない、複数の産地においてハマニガナの頭花上で雑種が形成されていることを確認した。この結果は両種の交雑および雑種形成が現在もなお琉球列島の複数の産地で異所的に進行していることを示す貴重なデータとなった。また、雑種性の種子はハマニガナの頭花上でのみ確認されたことから、同所的に生育しているオオジシバリによる繁殖干渉がおこっている可能性が示唆された。特に、八倍体が優占する南琉球でこの傾向が強く、このことが南琉球においてハマニガナの出現頻度が低いことの要因の一つとなっていることが考えられる。島嶼域における種の形成と衰退に関する極めて興味深い事例となると考えられ、現在もなお調査を継続中である。これらのテーマとは別に、複数の分類群について染色体レベルの調査をおこない、これまで染色体数が確認されていなかったヒメタツナミソウや琉球列島産のコナミキなどの染色体数を明らかにした。また、すでに広範囲から集められた材料について細胞学的解析を終え、種内倍数性の存在を明ちかにしたていたサトイモ科のつる性植物について、得られた成果を論文に取りまとめ投稿準備を進めている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] On the origin of the tetraploid Hydrangea liukiuensis(Saxifragaceae)from the Ryukyu Archipelago of Japan2010

    • 著者名/発表者名
      Denda T.
    • 雑誌名

      Raffles Bulletin of Zoology (In press)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Geohistorical and current environmental influences on floristic differentiation in the Ryukyu Archipelago, Japan2009

    • 著者名/発表者名
      Nakamura K., Suwa R., Denda T., Yokota M.
    • 雑誌名

      Journal of Biogeography 36

      ページ: 919-928

    • 査読あり
  • [学会発表] 琉球列島とオーストラリア東南部に隔離分布するコケタンポポ属 Solenogyne Cass.(キク科シオン連)の分子系統地理2010

    • 著者名/発表者名
      中村剛・傳田哲郎・國府方吾郎・Paul I.Forster・Gary Wilson・彰鏡毅・横田昌嗣
    • 学会等名
      日本植物分類学会
    • 発表場所
      愛知県刈谷市(愛知教育大学)
    • 年月日
      20100326-20100327

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi