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2007 年度 実績報告書

種間交雑の促進機構と抑制機構

研究課題

研究課題/領域番号 19570090
研究機関首都大学東京

研究代表者

林 文男  首都大学東京, 理工学研究科, 助教 (40212154)

キーワード種分化 / 種間交雑 / 形質置換 / 配偶行動 / 種内多型 / 浸透的交雑 / ミトコンドリアDNA / トンボ
研究概要

日本にはカワトンボ属2種(カワトンボとオオカワトンボ)が生息する。これら2種の共存生息地として24ケ所、カワトンボの単独生息地として1ケ所、オオカワトンボの単独生息地として1ケ所を選び、成虫の野外採集を行った。各調査地から20〜60個体を採集し、合計1024個体について、核DNAのITS1領域の塩基配列の決定(種の同定)、ミトコンドリアDNAのCOI領域の塩基配列の決定(種間での共有率から交雑の程度を推定)、翅色の観察(形質置換の程度を判定)、外部形態の測定(頭幅、翅長、縁紋の形態の種間差を定量化)を行った。その結果、カワトンボとオオカワトンボの間で全く翅色に差がない個体群では、ミトコンドリアDNAの共有率が著しく高く、かつ、外部形態の種間差が減少する傾向が認められた。逆に、カワトンボとオオカワトンボの間で翅色がまったく異なる組み合わせとなっている個体群では、ミトコンドリアDNAの種間での分化が生じており(種間で共有しない)、かつ、外部形態の種間差が大きくなっていた。前者では種間交雑が進み、後者では種間交雑が抑制されていると考えられる。形質置換が実際にどのように種間交雑に影響を与えているかについてはこれまで推論の域をでなかったが、本研究によってはじめて形質置換の程度と交雑の程度の相関が具体的に測定された。今後、形質置換が配偶行動のどの段階に影響を及ぼしているのか野外における実験的研究が必要である。

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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