研究概要 |
1.マレー半島で見つかったFissidens属の新種。マラヤ大学のYong氏が採集したマレー半島産のFissidens属の資料を研究中に、新種と考えられる標本を見出した。本属としては非常にまれな、葉身細胞に各1個のパピラをもつ種である。その詳細を研究した結果は、Fissidens benito-tanii,sp.nov.として、近くシンガポールの学術誌に投稿する。 2.日本新産のFissidens。日本からは現在までに50種近くのFissidens属の種が報告されている。今回、これまで日本から未報告の2種を見出し、その詳細を研究した。その中のFissidens exilisは北海道稚内に見つかった小型の種で、Fissidens closteri ssp.kiusiuensisからは、葉の細胞や帽の細胞のパピラなどで区別できる。Fissidens incurvusは栃木県からみつかった。日本に既知のFissidens bryoidesからは、葉の形で、またF.tosaensisからは、葉の形の他に造卵器の長さで区別できる。近く詳細な図とともに発表の予定である。 3.服部植物研究所所蔵の基準標本の整理。服部植物研究所所蔵の蘚類の基準標本のデータベースにFissidens属を含む多くの種を追加した。
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