研究概要 |
パプアニュウギネアのFissidens属蘚類の研究 パプアニュウギネアの蘚類はこれまでに多くの種が報告されてきたが,Fissidens属の種については,Norris & Koponen (1987)の報告以来,本格的な調査は行われていない. 今回のニュウギネアのFissidensの研究は,オーストラリアの蘚類学者Dr.Heiner Streimannが採集し,岩月に研究を委託されたものである.このコレクションは約250点のFissidensの標本を含む大変貴重なものである. 上記のコレクションを研究した結果,40種4変種のFissidensを見出した.Norris & Koponen (1987)はニュウギネアから25種のFissidens属の種を報告しているが,今回の研究でこの地域のFissidens floraに新たに15種を追加できた.そのうち次の3種は新種である.F.pseudoautoicus Tad.Suzuki & Z.Iwats.(n.sp), F.streimannii Tad.Suzuki & Z.Iwats.(n.sp.), F.pseudo javanicus Tad.Suzuki & Z.Iwats.(n.sp).上記40種のうち,日本から記録されている種は,9種のみであった.今回パプアニュウギネアから報告されたすべての種についての検作表を作成した.また重要な種についての図(10ページ)を作成した.
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