研究概要 |
これまでの調査で判明している異なる染色体レースの分布の境界地域(特に北海道東部〜北部〜中央部)を立田・秋元が集中的にサンプリングした.採集された標本は精巣および受精卵の核を取り出し,Cバンド法による核型分析を実施した.標本採集の際採集地点の地理情報を記録しておき,得られた核型分析の結果と合わせて地理情報システム(GIS)に入力した.染色体構造の観察の結果,数キロ毎のサンプリングを行ったにもかかわらず異なる核型を親に持つ交雑個体が発見されなかったことから,野外における交雑帯は仮に存在していたとしても数百〜1km程度の極狭いものであると推測された. 採集した標本は直ちに無水アルコール中に保存するか凍結保存し,既に開発済みのクサツフキバッタ用のマイクロサテライトプライマー6座分の有効性を試すと共に,サッポロフキバッタ向けのマイクロサテライトプライマーの開発を試みた.現在クローニングによって得られた候補コロニーから,反復配列をもつ断片のシークエンスを行い,新たなプライマーを設計している段階である.
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