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2008 年度 実績報告書

哺乳類卵子透明帯の構造と機能-糖鎖は本当に重要なのか?-

研究課題

研究課題/領域番号 19570101
研究機関千葉大学

研究代表者

米沢 直人  千葉大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (80212314)

キーワード糖たんぱく質 / 受精 / 細胞外マトリックス / 透明帯
研究概要

哺乳類卵子を包む透明帯は,動物種によって異なるが,3ないし4種類の糖タンパク質からなる網目状構造をもつ。受精の時に透明帯は精子と種選択的に結合し,この結合には透明帯の糖鎖部分が関わるとする糖鎖説とタンパク質骨格部分の立体構造が関わるとする超分子構造説が唱えられている。マウス透明帯では構成糖タンパク質の一つZP3が単独で精子結合活性を示すが,ブタおよびウシ透明帯ではZP3/ZP4複合体が活性を示し各々単独では活性を示さない。平成20年度は,ウシZP3,ZP4の様々な領域をバキュロウイルス-Sf9細胞系で発現させ相互作用解析を行った。その結果,ZP3のZPドメイン前半部とZP4のZPドメイン後半部とが相互作用すること,またZP3のZPドメイン後半部とZP4のZPドメイン前半部とが相互作用することを見い出した。ZPドメイン前半部と後半部との相互作用が繊維形成に関わる可能性が考えられた。組換えブタZP3,ZP4と天然ブタZP3,ZP4の糖鎖構造の違いを利用し,ZP3,ZP4のどちらが精子結合に必要なのかを調べた。その結果,ZP4の糖鎖構造に依存して精子結合活性が見られた。よって,ブタ精子結合にはZP3/ZP4複合体の超分子構造が必要であるが,結合の主体はZP4の糖鎖構造であることが示唆された。最後に,当初の研究実施計画とは異なるが,ブタZP3,ブタZP4のジスルフィド結合パターンを決定した。その結果,ZPドメインの後半部のパターンがマウスとブタとで異なることを見い出した。ブタZP3が単独で精子結合活性を示さないこととこのパターンの差異とが関連していることが示唆された。ZPドメインの後半部の構造機能解析が今後重要であると考えられた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Disulfide linkage patternsof pig zona pellucida glycoproteins ZP3 and ZP42008

    • 著者名/発表者名
      Saeko Kanai
    • 雑誌名

      Molecular Reproduction and Development 75

      ページ: 847-856

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A D19S433 primer binding site mutation and the frequency in Japanese of the silent allele it causes2008

    • 著者名/発表者名
      Natsuko Mizuno
    • 雑誌名

      Journal of Forensic Sciences 53

      ページ: 1068-1073

    • 査読あり
  • [学会発表] ウシ卵子透明帯糖タンパク質ZP3とZP4の相互作用部位2008

    • 著者名/発表者名
      児島さゆり
    • 学会等名
      第81回日本生化学会大会
    • 発表場所
      神戸ポートアイランド
    • 年月日
      2008-12-11
  • [学会発表] ウシ妊娠関連糖タンパク質(PAG)1のN結合型糖鎖構造2008

    • 著者名/発表者名
      尾崎恵璃
    • 学会等名
      第81回日本生化学会大会
    • 発表場所
      神戸ポートアイランド
    • 年月日
      2008-12-09
  • [学会発表] Carbohydrate chains linked to ZP4 are responsible for the sperm binding activity of ZP/Zp4 complex in pig2008

    • 著者名/発表者名
      Ayumi Hamano
    • 学会等名
      第60回日本細胞生物学会大会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      2008-06-30

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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