研究概要 |
本研究では、インフルエンザ菌の耐性菌由来のPBPsタンパク質の立体構造を解明とその立体構造情報から有効な抗生剤を開発する事を目指す。インフルエンザ菌の耐性菌(b-lactamase negative ABPC resistant H. influenzae: BLNAR)は、ペニシリン結合性タンパク質(Penicillin Binding Protein; PBPs)に変異を引き起し、従来のペニシリン系抗菌薬だけでなく、セフェム(cephem)系抗菌薬の感受性も低下している。 昨年に続き、PBP4とPBP5タンパク質の単結晶作製に成功し分解能1.6Aと1,9Aでそれぞれ立体構造決定に成功した。これらの構造情報から、新たな抗生剤を設計、合成を行い、抗菌作用の確認を行い有効である事を確認した。その後、更なる化合物の最適化を行い以下の2つの化合物の設計に成功し、国内での特許出願する事が出来た(特許出願2008-213424)。 1.6-[2-(4-Ethy1-2,3-dioxo-piperazin-1-ylamino)-2-phenyl-acetylamino]-3,3-dimethy1-7-oxo-4-thia-1-aza-bicyclo[3.2.0]heptane-2-carboxylic acid. 2.3,3-Dimethy1-7-oxo-6-[2-(2-oxo-imidazolidin-1-ylamino)-2-phenyl-acetylamino]-4-thia-1-aza-bicyclo[3.2.0]heptane-2-carboxylic acid.
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