• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2008 年度 実績報告書

膜結合型キノプロテイン脱水素酵素の構造と機能

研究課題

研究課題/領域番号 19570110
研究機関大阪市立大学

研究代表者

宮原 郁子  大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (40271176)

キーワードX線構造解析 / キノプロテイン / アルコール脱水素酵素
研究概要

ピロロキノリンキノン(PQQ)を補欠分子族とするキノプロテイン脱水素酵素には、可溶性のものとペリプラズム側から細胞質膜に結合するものとがある。後者にあたる酢酸菌由来の膜結合型キノプロテイン・アルコール脱水素酵素(ADH)はエタノール酸化を膜結合呼吸鎖とリンクしており、バルクのUQへと電子を受け渡し、生じたUQH2が末端オキシダーゼに電子を受け渡すことで酸化系が構築されている。また、このADHには不活性型があり、グルコースや糖アルコールを酸化している培養条件下ではUQへの電子伝達能が低下して、逆にユビキノールの酸化を行う。今回ADHの立体構造をMIR法を用いて決定した。ADHは、3つのサブユニットから構成される。サブユニットAは、他のキノプロテインで見られる8枚羽のβプロペラ構造からなるPQQ結合ドメインとcytochromeドメインが長いリンカーでつながった構造をしていた。膜結合部位と予測されたサブユニットBは3っのcytochromeドメインからなり、膜結合部位と予想される疎水表面が存在していた。サブユニットB表面には2つの大きな窪みが表面に存在しており、それぞれヘム結合位置との対応から、ユビキノンの還元部位とユビキノールの酸化部位と考えられた。サブユニットCはサブユニットAのPQQドメインと相互作用していたが、役割は不明である。分子内で電子伝達に関与しているPQQと4つのヘムの結合箇所を決定し、それぞれの相対分子間距離と既に明らかとなっているそれぞれのレドックスポテンシャルの値から、活性型、不活性型での反応中の分子内電子移動ルートを合理的に説明することができた。同じく酢酸菌のグルコース脱水素酵素については構造決定までには至らなかったが結晶の回折像を得ることができた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 2008

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] 酢酸菌由来膜結合型アルコール脱水素酵素の結晶構造解析2009

    • 著者名/発表者名
      後藤勝、広津建、外山博英、足立収生、松下一信、宮原郁子
    • 学会等名
      第26回PFシンポジウム
    • 発表場所
      つくば国際会議場
    • 年月日
      2009-03-25
  • [学会発表] Analysis of structure and function of membrane-bound alcohol dehydrogenase from acetic acid bacteria2008

    • 著者名/発表者名
      後藤勝
    • 学会等名
      The 2nd International Conference on Acetic Acid Bacteria
    • 発表場所
      名古屋大学野依記念館
    • 年月日
      20081111-14
  • [学会発表] X-ray Structure of membrane-bound quinohemoprotein alcohol dehydrogenase2008

    • 著者名/発表者名
      宮原郁子
    • 学会等名
      The Second International Interdisciplinary Conference on Vitamins, Coenzymes, and Biofactors
    • 発表場所
      University of Georgia
    • 年月日
      20081026-20081031
  • [学会発表] Structure of membrane-bound quiohemoprotein alcohol dehydrogenase2008

    • 著者名/発表者名
      後藤 勝
    • 学会等名
      XXI Congress and General Assembly of the International Union of Crystallography
    • 発表場所
      大阪国際会議場
    • 年月日
      20080823-20080831

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi