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2008 年度 実績報告書

DNAメチル化酵素の構造と機能に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19570130
研究機関大阪大学

研究代表者

末武 勲  大阪大学, 蛋白質研究所, 准教授 (80304054)

キーワードDNAメチル化 / DNAメチルトランスフェラーゼ
研究概要

本研究では、ゲノムDNA上のメチル化模様の形成機構を生化学的に理解することを目指している。
DNA上に、新規なメチル化模様を書き込むDnmt3aの性質について、試験管内で再構成したヌクレオソームを基質にして詳細に解析を行った。その結果、Dnmt3aは、ヌクレオソームとヌクレオソームの間に存在するリンカーDNA部分を優先的にメチル化すること、そのメチル化活性はヒストクH1により阻害されることを明らかにした(J. Mol. Biol.,2008)。これは、生体内において、Dnmt3aの高発現が単純に、ゲノムの高メチル化につながらないことを意味している。今後、さらに、条件を検討し、ヌクレオソーム構造に対し、Dnmt3aがメチル化修飾を導入しうる条件について解析を進める予定である。
一方、Dnmt3aには、異なるプロモーターが利用されることによって、N末端211アミノ酸短いアイソフォーム、Dnmt3a2、が存在する。Dnmt3aはゲノム全体のメチル化レベルが上昇した後期胚発生に発現するの対して、Dnmt3a2は雄性生殖細胞でゲノムワイドのメチル化レベルが更新する時期に特異的に高発現するため、その機能が異なることが予想されている。しかしながら、生化学的には、大きな性質の違いは報告されていない。私たちは、これまでにDnmt3aのN末端211アミノ酸領域がDNA結合を示すことを見出していたが、今回、2本鎖RNAにも結合すること、さらにDNA結合に必要な領域が1-57アミノ酸であること見出した。また、点変異を導入することにより、51番目と53番目のリシンがDNA結合に必要であることがわかった。今後、DNA結合能を失う変異をN末端部分に導入したDnmt3aを精製し、N末端のDNA結合の果たす機能を調べ、Dnmt3aとDnmt3a2の機能の違いについてアプローチする予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] Mouse Dnmt3a preferentially methylates linker DNA, and is inhibited by histone H12008

    • 著者名/発表者名
      Takeshima, H., et al.
    • 雑誌名

      J. Mol. Biol. 383

      ページ: 810-821

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Cyclin-dependent kinase-like 5 binds and phosphorylates DNA methyltra nsferase2008

    • 著者名/発表者名
      Sekiguchi, M., et al.
    • 雑誌名

      Biochem. Biophys. Res. Commun. 377

      ページ: 1162-1167

    • 査読あり
  • [図書] ゲノムDNAのメチル化修飾の形成と維持の機構、蛋白質核酸酵素6月号2008

    • 著者名/発表者名
      末武勲, 田嶋正二
    • 総ページ数
      7
    • 出版者
      共立出版
  • [図書] 組換えタンパク質のデザインと発現、たんぱく質をつくる-抽出・精製と合成2008

    • 著者名/発表者名
      田嶋正二, 末武勲
    • 総ページ数
      36
    • 出版者
      化学同人
  • [図書] DNAメチル化酵素の活性測定 放射性化合物を用いた活性測定エピジェネティクス実験プロトコール2008

    • 著者名/発表者名
      末武勲, 田嶋正二
    • 総ページ数
      7
    • 出版者
      羊土社

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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