MCM複合体は複製フォークにおけるDNAヘリカーゼとして機能する。昨年度に、MCMのヘリカーゼ活性はCdt1と結合して複合体を形成しより強いヘリカーゼ活性を示すこと、さらにCdt1はATPに結合する可能性を見出した。本年度は、Cdt1配列上にATP結合タンパクとの相同配列を見出し、その保存配列の変異体を作製した。この変異体はin vitroでATP結合能をほぼ完全に消失していた。さらにこれと同じ変異がdrosophilaの発生異常の原因として同定されていることが明らかとなった。以上の事実はCdt1のATP結合は、その機能制御に重要な役割を果たすことを示す。
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