コンフォメーション病病原蛋白質の凝集を抑制する低分子化合物の作用機構

2009 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 19570155
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 生物物理学
• 研究機関: 大阪府立大学
• 研究代表者: 恩田 真紀 大阪府立大学, 理学系研究科, 助教 (60311916)
• 研究期間 (年度): 2007 – 2009
• キーワード: セルピン / コンフォメーション病 / 認知症 / 神経変性 / フォールディング

研究概要

ニューロセルピンは大脳で分泌される蛋白質で、凝集すると認知症を引き起こす。今回、ニューロセルピンの凝集を抑制する化合物を数種見出し、これを利用して、ヒト・ニューロセルピンのX線結晶構造解析に世界で初めて成功した。得られた結晶構造から、凝集抑制に有効な相互作用を明らかにした。見出した凝集抑制物質はニューロセルピンのフォールディング中間体の安定化にも有効で、治療薬デザインの標的分子となる中間体の単離精製にも成功した。

研究成果

• [雑誌論文] The 2. 1Åcrystal structure of native neuroserpin reveals unique structural elements that contribute to conformational instability. (2009)
  • 著者名/発表者名: 恩田真紀, 中谷和代, 竹原清日, 西山美香, 三上文三, D.A. Lomas
  • 雑誌名: Journal of Molecular Biology 388巻 ページ: 11-20
  • 査読あり
• [雑誌論文] pH dependent stability of neuroserpin is mediated by Histidines 119 and 138; implications for the control of beta-sheet A and polymerisation. (2009)
  • 著者名/発表者名: Didier Belorgey, Peter Hagglof, 恩田真紀, David A. Lomas
  • 雑誌名: Protein Science 19巻 ページ: 220-228
  • 査読あり
• [雑誌論文] Cleaved serpin refolds into the relaxed state via a stressed conformer. (2008)
  • 著者名/発表者名: 恩田真紀, 中谷和代, 竹原清日, 西山美香, 高橋延行, 廣瀬正明
  • 雑誌名: The Journal of Biological Chemistry 283巻 ページ: 17568-17578
  • 査読あり
• [学会発表] ニューロセルピンのヘリックスF末端はポリマー化を制御する (2009)
  • 著者名/発表者名: 張娟, 竹原清日, 多田俊治, 恩田真紀
  • 学会等名: 第82回日本生化学会大会
  • 発表場所: 神戸国際会議場
  • 年月日: 2009-10-22
• [学会発表] P1-P1' cleaved serpin peptide refolds to the relaxed structure after undergoing a stressed conformation (2008)
  • 著者名/発表者名: 恩田真紀, 竹原清日, 高橋延行, 廣瀬正明
  • 学会等名: The 5th International Symposium on Serpin Biology, Structure and Function
  • 発表場所: ルーベン大学(ベルギー)
  • 年月日: 2008-07-15
• [学会発表] セルピンファミリー蛋白質のポリマー化とコンフォメーション病 (2007)
  • 著者名/発表者名: 恩田真紀
  • 学会等名: 大阪大学蛋白質研究所セミナー蛋白質の会合と凝集-機能、病気、利用-
  • 発表場所: 大阪大学
  • 年月日: 2007-06-22
• [備考] 本研究課題に関連する総説恩田真紀「解明されたミステリー:セルピン病の発症機構」
  • URL: http://www.pssj.jp/archives/Art_Lec/Serpin_01/Serpin_01_01.html