• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2008 年度 実績報告書

新たな分子遺伝学的アプローチによる新規クロマチン環境制御のメカニズム

研究課題

研究課題/領域番号 19570162
研究機関東京大学

研究代表者

武山 健一  東京大学, 分子細胞生物学研究所, 講師 (30323570)

研究分担者 北川 浩史  東京大学, 分子細胞生物学研究所, 特任講師 (20345234)
キーワード染色体 / クロマチン制御 / ヒストン修飾 / 転写制御
研究概要

近年、ユークロマチン上において転写が活性化される際にはその標的遺伝子プロモーターを取り巻くピストンに対し様々な修飾が極めて重要であることがわかってきた。アセチル基修飾(アセチル化)を担うCBP/p300は、種を越えて構造と機能が保存された代表的なヒストンアセチル基転移酵素で、多くの遺伝子の転写活性化には欠かせないことが知られている。一方で、CBP/p300は転写不活性化にも拘わることが報告されつつあり、その分子機構は不明であった。
我々はショウジョウバエ複眼の赤色色素を指標にしたクロマチン構造変化の解析系からショウジョウバエGBPがヘテロクロマチン形成能を示すことに着目し、GBPが唾液腺染色体のユークロマチンのみならず、ヘテロクロマチン上にも局在すること、更にヘテロクロマチン上では転写抑制を促すことを見出した。そのヘテロクロマチン上のCBP/p300はピストンを脱アセチル化する酵素Sir2にアセチル化修飾し、アセチル化されたSir2はピストンに対し脱アセチル化活性を強めることが判明した。すなわち、転写活性化にこれまで広く知られていたヒストンアセチル化酵素が、ヘテロクロマチン上では標的を変え、ヘテロクロマチン化に寄与することが明らかとなった。
この成果は、一つの転写共役因子がヘテロクロマチン上でも積極的にヘテロクロマチン化を促すことを意味しており、リクルートされる場所により標的遺伝子の発現調節していると考えられる。すなわち、時期や組織特異的な遺伝子発現の選択性を示す一つの作用機序を示唆するものである。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Aberrant E2F activation by polyglutamine expansion of androgen receptor in SBMA neurotoxicity2009

    • 著者名/発表者名
      Suzuki, E., Zhao, Y., Ito, S., Sawatsubashi, S., Murata, T., Furutani, T Shirode, Y., Yamagata, K., Tanabe, M., Kimura, S., Ueda, T., Fujiyama S., Lim, J., Matsukawa, H., Kounnenko, A. R, Aigaki, T., Tabata, T., Takeyaina, K. and Kato, S.
    • 雑誌名

      Proc Natl Acad SCi USA 106

      ページ: 3818-3822

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Co-repressive action of CBP on androgen receptor transactivation in pericentric heterochromatin in a Drosophila experimental model system2008

    • 著者名/発表者名
      Zhao, Y., Takeyama, K., Sawatsubashi, S., Ito, S., Suzuki, E., Yamagata, K., Tanabe, M., Kimura, S., Fujiyanm, S., Ueda, T., Murata T., Matsukawa, IS., Shirode, Y, Kouzmenko, A.P., Li, F., Tabata, T. and Kato. S.
    • 雑誌名

      Mol Cell Biol 29

      ページ: 1017-1034

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi