研究課題
細胞の極性成長は、高度に組織化された分子間相互作用ネットワークによって達成される。糸状菌A.nidulansでは、先端付近の細胞質微小管を分裂期にも維持することにより継続的な先端成長を維持していることが分っている。本研究では、微小管上のモーター分子であるキネシンの機能解析を中心に真菌の先端成長機構の解析を行った。全てのキネシンに対してGFPおよびmCherry標識を行いそれらの細胞内局在を検討し、局在領域によるグループ分けを行った。グループ3のキネシンの内の1種、グループ8のキネシン(KIPB)について、微小管上を双方向に移動する像が観察され、細胞内輸送への関与が示唆された。11種のキネシンのうち必須ではない10種について全ての組み合わせで二重破壊株を作製した。これら45種の二重破壊株は、すべて生育可能であり成長速度や菌糸形状に軽微な異常が見られるものが散見されるのみであった。今後はそれぞれのキネシンの細胞内局在を手がかりに、二重破壊株の欠損表現形について詳細に検討する予定である。マイクロポアメンブレンを用いた細胞先端を特異的に回収する手法により集めた細胞先端画分と細胞全体の粗抽出液の電気泳動を行った。泳動パターンに明確な差異が認められ、細胞先端画分に先端に局在するタンパク質が濃縮されていることを確認した。
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