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2007 年度 実績報告書

微小管による細胞分裂面決定の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 19570187
研究機関藤田保健衛生大学

研究代表者

上条 桂樹  藤田保健衛生大学, 医学部, 准教授 (10252074)

キーワード細胞質分裂 / 収縮環 / 微小管 / 低分子量Gタンパク質 / Rho / キネシン / Aurora B / Cdk1
研究概要

哺乳動物細胞では,分裂後期の微小管が収縮環を形成し分裂溝を誘導するのに重要であることが知られている.従来,細胞分裂には双極紡錘体の構造が分裂面決定に最低必要な構造であると考えられてきた.ところが,近年,単極紡錘体のみを持つ細胞(単極細胞)を分裂後期に導くと,一部の微小管が染色体を越えて伸び,その先端近くの細胞表層に分裂溝が形成されることが報告された.これは,染色体と微小管との位置関係によって,分裂溝を誘導する特定の微小管が決定されるためと考えられるが,その分子機構はよくわかっていない.私たちは,単極細胞にCdk1阻害剤を作用させることにより紡錘体チェックポイントを乗り越えて分裂後期を誘導し,分裂溝が形成される系を開発した.この系を用いた解析により,単極細胞においても双極細胞と同様に,分裂溝の位置決定には低分子量Gタンパク質Rhoが必須で,Rhoの局在は染色体を越えて伸びる微小管先端に局在するRho調節因子複合体(ECT2,MgcRacGAP,MKLP1)によって制御されていることがわかった.そこで,Rhoシグナルの指標となる分裂期キネシンMKLP1とEGFPとの融合タンパク質を恒常的に発現する細胞株を樹立し,単極細胞のライブイメージングをおこなったところ,EGFP-MKLP1は染色体付近で微小管に結合したあと,微小管先端に集積し,その周囲の細胞表層に分裂溝が形成された.分裂期キナーゼAurora Bの阻害剤を加えると,微小管へのEGFP-MKLP1の結合が抑制され,分裂溝も形成されなかった.さらに,Aurora B RNAiでも,単極紡錘体細胞の分裂溝形成が抑制された.以上のことから,Aurora Bキナーゼが分裂溝を誘導する微小管の決定に重要で,MKLP1が分裂溝を誘導する微小管への結合するのを制御していることが示唆された.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2007

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] Aurora Bによる分裂講を誘導する微小管の決定機構2008

    • 著者名/発表者名
      上条桂樹, 阿部充宏, 小林俊秀, 西村由香子, 米村重信
    • 学会等名
      第113回 日本解剖学会総会・全国学術隼会
    • 発表場所
      大分県由布市
    • 年月日
      2008-03-29
  • [学会発表] 単極紡錘体細胞における分裂期微小管の非対称性と分裂面決定機構2007

    • 著者名/発表者名
      上条桂樹, 阿部充宏, 小林俊秀, 西村由香子, 米村重信
    • 学会等名
      第30回 日本分子生物学会年会・第80回 日本生化学会大会合同大会
    • 発表場所
      神奈川県横浜市
    • 年月日
      2007-12-11
  • [学会発表] The Plus Ends of Microtubules Determine the Cell Division Plane through Rho-mediated Signaling2007

    • 著者名/発表者名
      Kamijo, K., Abe, M., Kobayashi, T., Nishimura, Y, Yonemura, S.
    • 学会等名
      The American Society for Cell Biology 47th Annual Meeting(第47回 米国細胞生物学会年会)
    • 発表場所
      アメリカ合衆国・カリフォルニア州・サンフランシスコ市
    • 年月日
      2007-12-02
  • [学会発表] 微小管プラス端による分裂面決定機構2007

    • 著者名/発表者名
      上条桂樹
    • 学会等名
      第67回 日本解剖学会中部支部学術集会
    • 発表場所
      愛知県長久手町
    • 年月日
      2007-10-13

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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