トランスジェニックメダカを用いた性決定遺伝子DMYの機能解析

2008 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 19570214
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 発生生物学
• 研究機関: 宇都宮大学
• 研究代表者: 松田 勝 宇都宮大学, バイオサイエンス教育研究センター, 准教授 (20414013)
• 研究協力者: 増山 治男 宇都宮大学大学院, 農学研究科, 学生
• 研究期間 (年度): 2007 – 2008
• キーワード: 遺伝学 / 発生・分化 / 動物 / 性分化

研究概要

多くの脊椎動物では、授精の瞬間に決定された遺伝的な性別に従って、未分化生殖腺がメスでは卵巣に、オスでは精巣に分化することで、個体の性別は決定される。脊椎動物の性決定遺伝子は、哺乳類のSRY/SryとメダカのDMYのみが報告されているが、ほ乳類においてもその具体的な機能はよくわかっていない。そこで本研究では申請者自ら同定したメダカ性決定遺伝子DMYが発生過程のどの時期に働くことで、未分化生殖腺をオスの方向(精巣)へ向かわせるのかを明らかとすることを目的とし、DMYを好きな時期にDMYの発現を停止できる実験系構築を試みた。

研究成果

• [雑誌論文] Gonadal Sex Differentiation and Expression of Sox9a2 (2009)
  • 著者名/発表者名: M. Nakamoto, S. Muramatsu, S. Yoshida, M. Matsuda, Y. Nagahama and N. Shibata
  • 雑誌名: Dmrt1, and Foxl2 in Oryzias luzonensis 47 ページ: 289-299
• [雑誌論文] Stability in aromatase immunoreactivity of steroid-producing cells during early development of XX gonads of the Nile tilapia (2008)
  • 著者名/発表者名: F. Sakai, T. Kobayashi, M. Matsuda and Y. Nagahama
  • 雑誌名: Oreochromis niloticus : an organ culture study 25 ページ: 344-348
• [雑誌論文] メダカの性別はどのように決定されているか? (2008)
  • 著者名/発表者名: 松田勝
  • 雑誌名: 蛋白質核酸酵素 53 ページ: 1158-1165
• [雑誌論文] Dax1 suppresses P450arom expression in medaka ovarian follicles (2007)
  • 著者名/発表者名: M. Nakamoto, D. S. Wang, A. Suzuki, M. Matsuda, Y. Nagahama and N. Shibata
  • 雑誌名: Molecular Reproduction and Development 74 ページ: 1239-1246
• [雑誌論文] メダカの性決定 (2007)
  • 著者名/発表者名: 松田勝
  • 雑誌名: アニテックス 19 ページ: 19-26
• [雑誌論文] Liver receptor homologue-1(LRH-1)activates the promoter of brain aromatase(cyp19a2)in a teleost fish, the medaka, Oryzias latipes (2007)
  • 著者名/発表者名: Y. Ohmuro-Matsuyama, K. Okubo, M. Matsuda, S. Ijiri, D. Wang, G. Guan, T. Suzuki, M. Matsuyama, K. I. Morohashi and Y. Nagahama
  • 雑誌名: Molecular Reproduction and Development 74 ページ: 1065-1071
• [学会発表] 人工性染色体を持つメダカ系統の作出 (2008)
  • 著者名/発表者名: 大竹博之, 真島佑佳, 松田勝, 濱口哲, 酒泉満
  • 学会等名: 日本動物学会第79回大会福岡大学七隈キャンパス
  • 年月日: 20080905-07
• [学会発表] 2008 メダカのDMRT1 の突然変異は雄から雌への性転換を引き起こす (2008)
  • 著者名/発表者名: 山田雅斗, 増山治男, 長濱嘉孝, 石川智子, 亀井保博, 藤堂剛, 松田勝
  • 学会等名: 日本動物学会第79回大会
  • 発表場所: 福岡大学七隈キャンパス
  • 年月日: 20080905-07
• [学会発表] 外来DMY遺伝子をゲノムにもつXXメダカは雄になる (2008)
  • 著者名/発表者名: 増山治男, 山田雅斗, 長濱嘉孝, 松田勝
  • 学会等名: 特定領域「性分化機構の解明」第3回冬のワークショップ
  • 発表場所: 静岡県御殿場高原ホテル, 2007
  • 年月日: 20080303-05
• [学会発表] メダカのDMRT1の突然変異は雄から雌への性転換を引き起こす (2008)
  • 著者名/発表者名: 山田雅斗, 増山治男, 長濱嘉孝, 石川智子, 亀井保博, 藤堂剛, 松田勝
  • 学会等名: 特定領域「性分化機構の解明」第3回冬のワークショップ
  • 発表場所: 静岡県御殿場高原ホテル, 2007
  • 年月日: 20080303-05
• [学会発表] 外来の性決定遺伝子DMYを持ったXXメダカ系統樹立 (2007)
  • 著者名/発表者名: 増山治男, 山田雅斗, 長濱嘉孝, 松田勝
  • 学会等名: 日本動物学会第78回大会
  • 発表場所: 弘前大学文京町キャンパス
  • 年月日: 20070920-22
• [学会発表] 2009 A mutation in DMRT1causes male to female sex reversal in medaka -the making of a sex-determining gene-
  • 著者名/発表者名: M. Matsuda
  • 学会等名: in 3rd Strategic Conference of Zebrafish Investigators
  • 発表場所: Monterey, CA, USA
• [学会発表] 2008 A MUTATION OF DMRT1 CAUSES MALE TO FEMALE SEX REVERSAL IN THE MEDAKA
  • 著者名/発表者名: M. Matsuda
  • 学会等名: in Sex Determination and Gametogenesis in Fish : Current Status and Future Directions
  • 発表場所: Honolulu, Hawaii.
• [図書] BGM Jamieson, Sex determination (2009)
  • 著者名/発表者名: M. Matsuda, and M. Sakaizumi
  • 出版者: in Reproductive Biology and Phylogeny in Fish(in press)
• [備考]
  • URL: http://c-bio.mine.utsunomiya-u.ac.jp/lab/matsuda.html
• [備考] 平成20年度ひらめき☆ときめきサイエンス~ようこそ大学の研究室へ~KAKENHI(研究成果の社会還元・普及事業)「バイテク体験講座~おコメのDNA鑑定に挑戦しよう、光る大腸菌を作ろう~」2008年8月1日-2日実施
• [備考] 平成19年度地域科学技術理解増進活動推進事業機関活動支援「親子で学ぶDNA鑑定」2007年12月21日実施