研究概要 |
レチノイン酸関連遺伝子の機能解析 カタユウレイボヤのHox1遺伝子の表皮エンハンサー中にレチノイン酸応答エレメント(RARE)を発見し,このRAREがレチノイン酸に対する応答性と正常胚の表皮における発現に必要であることを証明した(論文を投稿し,現在改訂中)。ホヤの系統においてはレチノイン酸がHox遺伝子の制御をしていないという説も出ている中で,レチノイン酸の重要性を証明できた。また,レチノイン酸合成酵素の阻害剤で胚を処理すると,表皮内感覚神経や中枢神経系における神経特異的遺伝子の発現パターンに変化があることを発見した。 RAR/RXRヘテロダイマーやRXRホモダイマーの予想結合配列を,バイオインフォマティクス的手法によりカタユウレイボヤゲノム中に多数同定した(北大・安住薫博士,北海道東海大・Sorin Sabau博士との共同研究)。私たちの研究室で,それらの配列に対してゲルシフト解析を行い,候補配列の多くに実際にRARやRXRが結合することを明らかにした。 Nodal標的遺伝子の解析 マイクロアレイ解析によって同定したNodal標的遺伝子のうち,特に細胞外マトリックスや細胞骨格など,細胞の形の変化や移動に関与すると思われる遺伝子に注目し,正常胚やNoda1阻害胚などにおける発現を調べた。一部の遺伝子についてはRNAiを行うために短鎖ヘアピン型RNAを胚の細胞内で発現させるためのプラスミドを作製したが,導入して形態や遺伝子発現の解析を行うのは平成21年度になる。
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