研究課題/領域番号 |
19570228
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研究機関 | 石川県立看護大学 |
研究代表者 |
木村 賛 石川県立看護大学, 看護学部, 教授 (20161565)
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研究分担者 |
小林 宏光 石川県立看護大学, 看護学部, 准教授 (20225535)
垣花 渉 石川県立看護大学, 看護学部, 准教授 (60298180)
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キーワード | ロコモーション / 個体追跡 / 健康高齢者 / QOL / ADL / 平衡能 |
研究概要 |
高齢者の歩行運動能力を個体追跡を用いた(縦断的)方法により研究し、高齢者の特徴を明確にして健康福祉へ寄与することを目的とする。ロコモーションとくに歩行の能力は基礎体力の指標であり、自立したQOLの基本要因である。高齢化社会へ進みつつある日本において、詳細な研究が必要である。 被験者として、本年度は66歳から78歳までの自宅在住の健康な高齢者19名(うち女性10名、男性9名)を夏冬半年ごとに縦断的に調べた。これらのうち大部分は2年から4年にわたって調査に協力して下さる方々である。対象群として若年成人18名に対して新規に調査を行い、既存の若年群32名を50名に増員した。被験者には調査の目的を説明し、書面で同意を得た。 測定項目は身長、体重、体脂肪率、骨密度の生体計測、握力、開眼片足立ち時間、開眼両足立ち重心動揺、ファンクショナルリーチの生理機能計測、歩行時の体節移動、同角度変化、重心位置加速度の運動学・運動力学解析、問診票による日常生活調査、歩度計貸し出しによる日常歩数記録、である。 これらの研究により以下二つの課題が検討された。 1)健康な高齢者の若年成人とのちがい。 本年度新たに判明した特徴として、高齢者は肩と腰の間の捻りが少ないこと、体軸の傾きの大きいこと、足首の蹴り出しの小さいこと、などがある。 2)これまでにみつかっている高齢者の歩行特徴である、歩幅の短い、遅い速度、長い両脚支持期、大きな歩隔などは、安全な歩行を続けるための要素という見方ができることがわかってきた。 筋力と平衡能が若年成人より低くなっている高齢者において、安全な歩行を続けることは-つの重要な課題である。歩行は、身体機能訓練に役立つものであるが、そこで安全性が失われては意味が無くなる。安全と訓練のかねあいをどうするが高齢者歩行の-つの問題点であることが抽出できた。
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