研究課題/領域番号 |
19570228
|
研究機関 | 石川県立看護大学 |
研究代表者 |
木村 賛 石川県立看護大学, 看護学部, 教授 (80082105)
|
研究分担者 |
小林 宏光 石川県立看護大学, 看護学部, 准教授 (20225535)
垣花 渉 石川県立看護大学, 看護学部, 准教授 (60298180)
|
キーワード | 個人追跡 / 加齢 / ロコモーション / ADL / QOL / 健康高齢者 |
研究概要 |
高齢者の歩行運動能力を個体追跡を用いた(縦断的)方法により研究し、高齢者の特徴を明確にして健康福祉へ寄与することを目的とする。ロコモーションとくに歩行の能力は基礎体力の指標であり、自立したQOLの基本要因である。高齢化社会へ進みつつある日本において、詳細な研究が必要である。 被験者として、本年度は67歳から79歳までの自宅在住の健康な高齢者24名(うち女性14名、男性10名)を夏冬半年ごとに縦断的に調べた。これらのうち大部分は2年から5年にわたって調査に協力して下さる方々である。被験者には調査の目的を説明し、書面で同意を得た。 測定項目は身長、体重、体脂肪率、骨密度の生体計測、握力、開眼片足立ち時間、開眼両足立ち重心動揺、ファンクショナルリーチの生理機能計測、歩行時の体節移動、同角度変化、重心位置加速度の運動学・運動力学的測定、問診票による生活習慣・主観的幸福度・ADLの調査、歩度計貸し出しによる日常歩数記録、である。 これらの研究により本年度は主に以下二つの課題が検討された。 1. 4年ないしら年の長期にわたり資料の得られた個人において、季節変動を考慮して夏期についての縦断的検討を行うと、身長、握力、相対接地期間、股関節可動域において有意な変化が見られた。これらは若年成人と高齢者との間で差が見られる項目であるが、コホート差ではなく個体追跡によっても確認できた。相対接地期間の延長と股関節可動域の減少は運動能力の減少とも見られるが、昨年度検討したように安全な歩き方を選択した結果とも見られる。 2.高齢者の中でもより高齢な群の方が、同じ年数の間により大きな変化がある傾向がある。ただし、群わけした際に例数が少なくなるため、この検証は今後の課題である。
|