研究課題
基盤研究(C)
(1)本研究の目的は、チンパンジーの肉食行動における狭食性の実態を野生条件下において観察調査することにより、ヒトが肉という食物資源に対して類人猿的な狭食性の段階から広食性の段階まで移行する際に、どのような認知的・生態学的・社会的条件が必要であったかを考える手がかりを得ることである。そのため、野生チンパンジーの直接観察が可能なマハレ山塊国立公園(タンザニア)に赴き、狩猟肉食行動の野外調査を実施する。チンパンジーが特定の獲物を選択的に狩猟しているかどうかについては、研究者によって意見が分かれる。本研究では、獲物の音声を刺激とする野外プレイバック実験を実施して、「獲物選択性はない」という帰無仮説の検定を試みる。(2)マハレ山塊(タンザニア)における1996年以降の狩猟肉食行動に関する未発表資料を共同研究者と連携して取りまとめ、整理分析する。とくに、近年のパーソナルコンピューターの技術の発展により、低コストで手軽に扱えるようになったデジタル映像音声資料を活かし、獲物と遭遇したときのチンパンジーの反応や狩猟が発生したときの行動の詳細、肉食が始まってからの個体間相互作用について、精密な分析を行う。
すべて 2009 2007
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)
Primates 50(2)
ページ: 184-189