研究課題
特別研究促進費
枯草菌では、GABAを唯一の窒素源として利用できることや、GABA透過酵素についての詳細が研究されているが、GABA代謝系を担う他のタンパク質についてはそれほど研究が進んでいない。そのGABA代謝を担うのが、GABAアミノ基転移酵素(GABA-AT)とコハク酸セミアルデヒド脱水素酵素(SS-DH)である。更に、それら2種の酵素は、培地中のGABAで発現誘導されるオペロンにコードされており、オペロンの上流にコードされているGabRが、そのオペロンの転写制御因子として働いている。本研究では上に挙げたオペロン上で隣接する3つのタンパク質の立体構造を決定し、生化学的、分光学的研究の結果と総合して、原子レベルでの構造・機能解析を行うことを目的としている。研究初年度である本年度では、C-末端にHis-tagの付いているGabRの結晶化条件の検索を行った。しかし、以前に行った4.0Å分解能以上のデータを得ることはできなかった。そのため、トロンビン処理でHis-tag部分を切ることのできる配列にしたプラスミドを作製し、精製することに成功した。今後は、His-tagの付いているGabRとトロンビン処理しHis-tagの除かれたGabRの結晶化条件の検索を行っていく。また、GABA-ATおよびSS-DHのクローニング、大量発現系の構築、タンパク質の精製も行うことができた。来年度は、これらの精製タンパク質を用いて、結晶化条件を検索していく。
すべて 2007
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Biochemistry 46
ページ: 12618-12627