• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2009 年度 実績報告書

未利用遺伝資源を利用した耐塩性日本シバの作出

研究課題

研究課題/領域番号 19580007
研究機関東海大学

研究代表者

村田 達郎  東海大学, 農学部, 教授 (80140953)

キーワード育種学 / 日本シバ / Zoysia属 / 耐塩性 / 種間雑種
研究概要

雑種自殖後代作出による耐塩性系統の形態的改良 日本シバ3種とZoysia sinicaを交配親として正逆交雑を行い,種間交雑種を獲得した.得られた雑種系統(F_1)の多くで母本とした日本シバを上回る耐塩性が示され,7%濃度の塩処理灌水後でも生育しているものも認められた.しかしその形態はZ.sinicaに類似しており,葡匐茎の伸長が遅く,地上部の直立茎が長いために,一般的な芝草として利用するには被覆性の点で課題が残った.そこで形態的な改良を目的として,被覆性に優れたZ.japonicaを交配親として得られたF_1個体群から高耐塩性を示した系統(H7)を選抜し,この自殖系統を作出するとともに,同集団の耐塩性,塩類腺分布パターンおよび形態を調査した.その結果,F_1雑種(H7)の自殖によって32系統の後代が得られた.これらの自殖後代群の一部で耐塩性の低下が認められたが,多くの個体が1ヶ月に渡る7%塩処理後でも生存し,F_1系統と同程度の耐塩性を維持していた.また,塩類腺分布を調査したところ,F_1の交配親であるZ.japonicaの分布パターンに類似する傾向が認められ,これまでに著者らによって報告されているような耐塩性程度と塩類腺の相関関係が認められなかった.そのため本自殖後代群では,塩類腺による耐塩性程度の推測が不可能であった.形態的には,F_1世代に比べ草丈が短く,葡匐茎の伸長が良好となった系統も認められ,自殖による形態的な改良が可能であることが示唆された.
以上のように,種間雑種を育種母本として利用した耐塩性付与が可能であることが明らかとなり,得られた雑種個体は育種母本として非常に有用であることが明らかとなった.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Zoysia sinicaとの交配によるシバ属植物の耐塩性向上2009

    • 著者名/発表者名
      松田靖・金子博・村田達郎
    • 学会等名
      日本育種学会
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      2009-09-25

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi